介護福祉士とは?メリットと仕事内容・資格取得の方法
[最終更新日]2024/08/18
「介護福祉士の仕事内容って?」
「介護福祉士を取得する方法は?」
「介護福祉士を取得すべきメリットは?」
本記事では、介護福祉士に関する様々な疑問・悩みを解決すべく、介護福祉士の仕事・資格に関する徹底解説をします。
とくにこれから介護職を目指す人は、介護福祉士について詳しく知ることで「これからの働き方」のイメージ形成にも役立つはずです。ぜひチェックしてください。
目次
1)介護福祉士とは
介護福祉士とは、「社会福祉士および介護福祉士法」という法律に基づいた国家資格です。
簡単に言い換えると、介護福祉士は「国が認める介護のプロ」のことです。
介護福祉士は介護を必要としている方がスムーズな生活を送れるよう、あらゆる側面から支援していく「介護のエキスパート」といえます。
通常のヘルパーさんと違うのは、介助業務をするだけでなく、現場のスタッフを指導する立場にもあるということ。専門的な知識と経験を有する介護福祉士は、リーダーシップを求められることが特徴です。
2)介護福祉士の主な仕事内容
介護福祉士の仕事内容は、以下の3つの観点から説明できます。
どの仕事も介護現場では重要ですが、とくに大切なのは①「施設・スタッフに向けての仕事」です。
①施設・スタッフに向けての仕事
介護福祉士は、「3年以上の実務経験」と「幅広い介護知識」がないと取得できない資格です。そのため、その専門的な知識を活かし、施設やヘルパー間のリーダーとして、現場での責任者を任されることが多いです。
具体的には、「ヘルパーに対する介助業務の補助やアドバイス」、「施設長などの上司とヘルパースタッフの橋渡し的な役割」などがあります。
「介護利用者が、自立した生活を送れるようにする」というのが、介護職全般の大きな目標です。
その目標を達成するために尽力する「介護のリーダー的存在」が、介護福祉士です。
②サービス利用者に向けての仕事
介護が必要な方に対して、専門的な知識から支援していくのが、介護福祉士の最も重要な仕事です。
食事、入浴、排泄などの生活支援を中心に、あらゆる日常の課題を解決していくことが求められます。
介護者からの相談に乗り、日常生活で必要なことをサポートしながら、最終的に自立した生活を送れるように寄り添います。
他の介護士同様、介護福祉士もこれら仕事が中心になります。
③サービス利用者の家族に向けての仕事
介護福祉士は、利用者の家族への対応も行います。
長年連れ添った家族が認知症やその他の病気によって、介護が必要になってしまったとき。
長年連れ添ってきた家族にとって、精神的にも身体的にも負担が大きいものです。
ご家族の方で、身内の介護のことは周りに相談しづらいという悩みを持たれている方は多いです。
そうした悩みに真摯に答え、「どうすればより良い生活が送れるか?」という観点からサポートしていくことも、介護福祉士に求められます。
3)介護福祉士になると、どんなメリットがある?
介護福祉士になることで得られるメリットは、主に以下の3つがあります。
メリット① 就職・転職で有利になる
介護福祉士は「介護職員初任者研修(=旧ヘルパー2級)」や、ケアマネージャーといった介護資格と違い、介護業界で唯一の国家資格です。
そのため、社会的な信頼が厚く、介護福祉士を持つことで多くの事業所・施設から重宝されます。
介護福祉士として就職・転職した後は、その分即戦力として高度な仕事を任されることは多くなるでしょう。
しかし、そのこともまた新たな経験を積める、責任あるポジションに着けるといったメリットに繋がります。
メリット② 給料アップが期待できる
介護福祉士の資格を得ることで、給与もそれに応じてアップしやすいです。
たとえば、介護職員初任者研修の資格を所持するヘルパーに20万円を給与が支払われる職場で、介護福祉士の資格を所持している人は月収24万~25万円になることが多いです。(地域や会社によって異なります)。
また、2019年の10月から「介護福祉士の処遇改善」が実施され、勤続10年以上の介護福祉士はプラス8万円の給料が加算されるようになりました。
メリット③ キャリアアップが望める
介護福祉士は、介護サービスの責任者である「サービス提供責任者」や、介護施設の「施設長」といった大きな仕事を任されることが多くなります。
そのため、「介護職として仕事の幅を広げたい」もしくは「キャリアアップしたい」と考えているのなら、介護福祉士の取得はとても有効です。
とくに管理職のポジションを目指す人は、早めのタイミングで介護福祉士の資格取得を視野に入れておくのがよいでしょう。
4)介護福祉士の資格取得方法
次に介護福祉士の資格取得方法について解説します。
「未経験から介護福祉士を目指したい」という人。そして、「既に介護職員なので、仕事をしながら介護福祉士を目指したい」という人の2パターンに分けて説明します。
それぞれやるべきことが異なるので、自分の現状に合った方を理解してみてください。
介護の仕事未経験から介護福祉士になるには
介護の仕事未経験の場合の、おすすめの取得ルートは以下の2つです。
- ➀介護福祉士養成施設に通う
- ②実務経験ルート
➀介護福祉士養成施設に通う
介護福祉士養成施設とは、「国から指定された養成施設を卒業し、最後に介護福祉士の国家試験を受験して、国家資格の取得を目指すこと」を目的としている、いわば介護福祉士のための学校です。未経験でも基礎からじっくり学べます。
養成施設の種類としては、以下の3つが挙げられます。
- 四年制大学
- 専門学校
- 高等専門学校
この中でも特に「専門学校ルート」は、普通科の高校卒業者であれば最短の2年で取得できるということもあり、とくに人気のある取得方法です。
②実務経験ルート
次章にて詳しく解説しますが、介護の仕事をしながら介護福祉士取得を目指せるのが、「実務経験ルート」です。
介護の仕事は日常生活のサポートが中心であるため、基本的には無資格でも問題なく働くことが出来ます。
実際に筆者も、グループホームの介護施設で資格なしの状態で数か月働いていました。
こういった「未経験から実務をこなす」という状態を3年以上、そして「介護職員実務者研修」という資格を取得することで、国家資格である介護福祉士の試験に挑めます。
介護の仕事をしつつ介護福祉士になるには
介護の仕事をしつつ介護福祉士になる方法を、「実務経験ルート」と言います。
実務経験ルートの受験資格は以下の3つです。
- 対象となる施設(事業)および職種での従業期間が3年以上
- 従業日時540日以上
- 介護職員実務者研修の取得
訪問介護や、デイサービス、グループホームなどでの施設介護で介護の仕事を3年以上経験したと認められないと、そもそもこの取得方法をする権限が認められません。
また、「実際に働いている時間が540日以上」(休憩時間は含まれません)に、留意しておく必要があります。
更に、「介護職員実務者研修」の資格を所持していることも条件に含まれます。
実際に仕事を経験していくなかで、経験値とお金を稼ぎながら国家資格の取得を目指せるのが、実務経験ルートのメリットです。
実際、このルートでの取得者は年々増加傾向にあります。
また、事業所が資格取得の資金援助をしてくれる場合もあります。いちど上司に相談してみると良いでしょう。
5)実務経験ルートで介護福祉士を目指す際は、資格取得の優遇制度のある転職サービスも活用しよう
実務経験ルートで介護福祉士を目指しており、併せて職場探しも並行して進めている人は、以下に紹介する介護士向けの転職サービスの利用も有効です。
介護福祉士の資格取得に必要な「実務者研修」の資格取得費用を出してくれるなどのサービスがあります。
あなたに合った職場の提案もしてくれますし、サービス利用自体はすべて無料です。興味のある人はいちど登録して相談をしてみてください。
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レバウェル介護の特徴
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公開求人数 | 約22万件(2024年8月現在) |
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書類添削や面接対策といったサポートにも力を入れており、志望動機や自己PRの作成にも役立つでしょう。
マイナビ介護職の特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約7.9万件(2024年8月現在) |
マイナビ介護職の活用メリットの一つに「離職率や職場環境などの、詳細の施設情報を知れる」ことがあります。企業研究の際は担当からの情報を有効活用しましょう。
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かいご畑の特徴
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サービス対応地域 | 北海道、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、静岡、愛知、大阪、京都、神戸、広島、福岡 |
公開求人数 | 約9,000件(2024年8月現在) |
「まずは業務に慣れてから、徐々にキャリアアップを目指したい」という人は、かいご畑の「キャリアアップ応援制度」の活用がおすすめです。
まとめ)介護のプロになりたければ「介護福祉士」を取ろう!
最後に本記事の内容を簡単にまとめます。
- 「介護福祉士」とは、介護のエキスパートのことである
- 専門家として、ヘルパーなどをまとめる立場である
- 利用者やそのご家族をサポートするのも業務のうち
- 給料、キャリアアップなど多くのメリットがある
- 未経験なら学校に通うのもオススメ
- 既に働いているなら「実務経験ルート」から取得を目指そう!
介護福祉士は「介護のエキスパート」です。そのため取得することが出来れば、今後の超高齢化社会では絶対的に求められる人材へと成長できます。
キャリアアップや給料アップが図れるのはもちろん、介護職で大きく世の中に貢献できるようにもなりますので、ぜひご自分に合ったルートで取得を目指してほしいと思います。