C#エンジニアに未経験から転職するには?仕事内容と必要なスキル
[最終更新日]2024/08/16
「C#を目指してみようか」と検討している人は多いでしょう。
C#は、エンジニアが不足している代表的な言語の1つですから、転職を狙いやすいと考えている人もいると思います。
ただし、C#は活用範囲が広い一方、簡単に学べる言語ではありません。
未経験からC#エンジニアへの転職を目指すならば、C#の特徴を知ることに加えて、言語や関連する開発ツールの習得についても検討する必要があります。
目次
1)C#言語の概要とC#エンジニアの仕事内容
-
これからC#エンジニアへの転職を目指すなら、まずC#とはどのような言語か、また、仕事内容や年収について知っておく必要があります。
ここではC#エンジニアの待遇やどのような業界・サービスで求められているかという点も含めて、順に解説します。
C#言語の概要
C#は、マイクロソフトが開発したプログラミング言語です。特徴として、オブジェクト指向が採用されていることがあげられます。このためプログラム開発においては、以下のメリットがあります。
- 1つのコードで、さまざまなプラットフォームに活用できる
- システムを部品化できるため、修正や他のプログラムへの流用が容易
C#はJavaのように、実行に仮想マシンを使用します。これは、C言語と異なる点です。加えて、ある程度の実行速度が確保できる点も特徴です。
C#の用途にはWindowsで動くシステムの開発が多いですが、これにとどまりません。
AndroidやiPhoneといった、スマートフォンで動作するシステムの開発にも使用できます。また、「Visual Studio for Mac」を使用することで、Macでの開発も可能です。
C#エンジニアの仕事内容
他のプログラミング言語と同様に、C#エンジニアの仕事には以下のようなものがあげられます。
- プログラム設計やコーディング、テストといった「下流工程」
- 要件定義や基本設計といった「上流工程」
- プロジェクトの進捗状況を管理する「プロジェクトリーダー」
未経験の人ならば、転職直後は既存のコードの修正やテストの工程を任される場合が多いでしょう。その後は実力に応じてコーディングや設計など、仕事の範囲を広げることが可能です。
また、C#エンジニアは以下のとおり、さまざまなシステム開発に携われます。
- Windowsのデスクトップアプリケーション
- Webアプリケーション
- スマートフォン(Android、iPhone)向けやMacのアプリを開発
- ゲームエンジン「Unity」を活用することで、ゲームの開発にも使用できる
社会環境や流行の影響を受けにくいことも、特徴の1つといえるでしょう。
2)C#エンジニアの活躍する業界と平均年収
-
C#エンジニアに転職するならば待遇や年収はもちろん、どのような業界やサービスで求められているかという点も気になるところですよね。
これらについても確認していきましょう。
C#エンジニアを求めている業界やサービス
C#エンジニアは以下のとおり、幅広い分野のシステム開発に活かせることが特徴です。
- 一般企業が使用する社内向け(システム管理など)、BtoB、BtoCのシステム開発
- スマートフォン向けシステム
- ゲーム業界
- VRやMRの分野
- ロボットやAIの分野
C#は幅広い業界やサービスで活用されています。そのためC#は、一度身につければさまざまなシステム開発の現場で活躍できる言語といえるでしょう。
また、C#エンジニアを未経験から実務経験を積む場合、システム開発会社(他社から開発を受託する企業)から働きはじめるケースが多いです。
C#でシステムやサービスを手掛けたい人は、まずはC#開発の実務経験を積んだのち、次のステップで事業会社や自社開発をする企業を目指すのが確実でしょう。
C#エンジニアの平均年収
ITエンジニア転職サイト「マイナビIT AGENT」の求人情報をもとに作成(2023年2月)
C#エンジニアの年収のボリュームゾーンは600万円~800万円となっています。
年収1,000万円を超える求人も少なくなく、キャリアアップを目指しやすい職種といえます。
ただし、高年収帯の求人は「C#言語さえできればよい」ということではなく、幅広いエンジニアリングの知識とPM・PL等の上流工程における実務経験を求められることが多いです。
未経験で入社した場合は、年収は300~400万円台となる場合が多いです。
はじめから高年収を目指すよりも、まずは実務経験を積むことに専念し、その後C#言語+αのキャリアプランを立てていくのがよいでしょう。
3)C#エンジニアに必要な知識・スキルは?
-
C#エンジニアとして転職を目指す場合、あらかじめC#を習得し、独力でなんらかの開発を行った経験が必須です。
さらに、以下の知識やスキルが求められるでしょう。
- オブジェクト指向の知識
- WebやOS、データベースに関する幅広い知識やスキル
- コードを書く量やデバッグが多いため、体力や集中力、忍耐力も必要
- コミュニケーションスキルも必須
いずれも、一人前のエンジニアとして実力を発揮するためには欠かせません。それぞれの知識・スキルが必要な理由について、解説していきます。
オブジェクト指向の知識
さきに解説したとおり、C#はオブジェクト指向が採用されたプログラミング言語です。
そのためC#エンジニアは、オブジェクト指向に関する知識を持つことが必須です。
スクールやWebサイト、書籍などを活用して、オブジェクト指向を学んでおきましょう。
良質な教材であれば、C#を学びながらオブジェクト指向も知ることが可能です。
もっとも、みなさまのなかにはJavaやC++など、すでに他のオブジェクト指向が採用された言語を使いこなせる人もいるでしょう。その場合は、改めて学ぶ必要はありません。
WebやOS、データベースに関する幅広い知識やスキル
現代では、Webを活用したシステムが主流となっています。また、C#はさまざまなプラットフォームで利用可能という特徴もあります。つまり、C#は特定のOSに依存する言語ではないわけです。
このためC#の開発者は、幅広いプラットフォームに対応できる知識が求められます。
WebやOS、データベースそれぞれについて知ることは大変ですが、効果的な開発を進めるためには重要です。無料で試用できるOSやデータベースもありますから、試しに使ってみることもよい方法です。
コードを書く量やデバッグが多いため、体力や集中力、忍耐力も必要
AIテクノロジーをはじめとするインターネットソリューションを主事業とするLAPRAS株式会社では、国内エンジニアのスキル分布において「C#のスキルを持つ人がエンジニア全体の6.2%にとどまっている」と公表しています。
参考:国内エンジニアのスキル分布(LAPRAS株式会社 調査)
参照元:LAPRAS株式会社「国内エンジニアのスキル分布 特定のプログラミング言語のスキルを持った人はどれくらいいるのか?」
「思ったよりC#スキルを持つ人が少ない」と感じた人も多いのではないでしょうか。
これは、C#の持つ以下の特徴が理由のひとつとして考えられます。
- 他の言語と比べて、書くべきコードの量が多い
- デバッグの量も多い
このためC#エンジニアは、他の言語よりも負担が大きくなることは否めません。任された業務を完遂するためには、以下の能力が求められます。
- コードを書きあげるために求められる、体力や集中力
- 良質なシステムを提供するための、注意力や忍耐力
C#エンジニアを目指す場合はプログラミングのスキルはもちろん、上記にあげた点も身につける必要があります。
コミュニケーションスキルも必須
C#エンジニアとして入社後、あなたはどこかの開発チームに所属し、他のエンジニアとともに開発業務を進めることになります。
複数のメンバーで分担して作業するわけですから、進捗状況の共有など、コミュニケーションを取ることが欠かせません。
もしきちんとした報告ができない、チーム開発に非協力的、開発しやすい仕組みを壊すなど、チームでの開発の障害となる行為をするとどうなるでしょうか。
そのような人は、どの企業からも求められなくなってしまいかねません。
C#エンジニアは、もちろん技術的なスキルがあることは大前提です。しかし仕事にはコミュニケーションスキルも必要ですから、きちんと身につけるよう意識しましょう。
4)未経験からC#エンジニアへの転職を目指す際のポイント4つ
-
これからC#エンジニアへの転職を目指す際に意識しておきたい、4つのポイントを紹介します。
それぞれのポイントについて、順に確認していきましょう。
独学の難易度はやや高め。評判の良いスクールやWebサイト、書籍を活用して学ぼう
C#はVisual Studioを活用して開発が行えるものの、言語自体の難易度はやや高めであることに注意が必要です。Javaと同程度か、やや易しいと考えておくとよいでしょう。
もし独学で学んだ場合、人によっては途中で挫折してしまうかもしれません。このため、学ぶ方法はよく検討する必要があります。
学ぶ手段 | 特徴 |
---|---|
スクールに通う | ・短期間で学べる ・不明な点も講師に質問できる ・費用が高価。また、スクールに移動する手間と時間がかかる |
Webサイトで学習 |
|
書籍の活用 |
|
上記に示したとおり、学習方法ごとにメリットやデメリットがあります。評判などを確認しながら、あなたに合った手段を選んで学びましょう。
未経験からC#を学べるUdemyのオンラインコース
ここでは、「Webサイト学習でC#を学びたい」という人向けに、Udemyで評判の高いコースを紹介します。
Udemyは、オンラインビデオによる講義を通じてさまざまな分野の知識・スキルを習得できるサービスです。
C#言語学習のコースでは、以下が人気です。
C#で実際にプログラミングを行い、ポートフォリオをつくる
多くのプログラミング言語と同様に、C#エンジニアへの転職もなんらかのプログラミング経験が欠かせません。とはいえ最初は誰もが初心者ですから、心配はいりません。
自分自身で開発環境を作成し、まずはサンプルを参考にプログラミングを進めていきましょう。サンプルはスクールで提供されるものや、参考書に掲載されているものなどが使用できます。
C#は「Visual Studio コミュニティ版」をダウンロードすることで、簡単に開発環境を構築できます。面倒な設定が不要なことも、メリットの1つにあげられます。
一方で、セットアップ時の待ち時間はそれなりにありますから、時間のあるときに環境構築をするとよいでしょう。
自力でひととおりプログラムを組めるようになったら、ポートフォリオを作成しましょう。外部から参照できるようにすると、転職活動に役立ちます。
目指す求人・業界においてC#と併せて必須になるスキル・技術を確認しておく
C#は、さまざまなシステムの開発に使えるプログラミング言語です。そのため、どのシステムを開発するかにより、求められる知識も大きく異なります。たとえば業務知識は、その一例です。
また、システムによっては他の開発ツールの習得が必要な場合もあります。代表的なシステムには、以下のものがあげられます。
システム | 必要な開発ツールなど |
---|---|
ゲーム開発 | Unity |
スマートフォンアプリの開発 | Xamarin |
このため転職を目指す人は「とにかくC#エンジニアになれるのならなんでもよい」と考えず、どのようなシステムに携わりたいか考えておくことも求められます。
目標が決まれば関連する業務知識などを学ぶ意欲も増しますから、前向きな姿勢が評価され、内定につながりやすくなります。
このようにC#エンジニアになるためには、入社後にどのようなスキル・技術が求められるかも事前に確認した上で、準備することが重要です。
C#エンジニアの転職に強い転職エージェントを活用する
C#は需要が高い言語ですが、習得する人は多くありません。このため、主なプログラミング言語とはいえません。そのためC#エンジニアとして確実に転職を決めたいならば、ITエンジニアの転職に強い転職エージェントの活用がすすめられます。
もしITエンジニアに関する知識が薄い転職エージェントに依頼すると、「プログラマーはみんな同じ」と思われかねません。その結果、以下の案件を紹介される可能性もあります。
- 主なプログラミング言語であるRubyやJava、Pythonなど
- 「C#はC言語やC++とだいたい同じ」と思われ、C言語やC++の案件を紹介される
ITエンジニアの転職に強い転職エージェントならば、このような事態を防げます。加えて、C#エンジニアとしての転職を実現するために何が必要かしっかりアドバイスしてもらえることも、メリットとして見逃せません。
次の章では、C#エンジニアを目指すうえでの、具体的な転職エージェントの選び方、おすすめの転職エージェントについて紹介します。
5)未経験からC#エンジニアを目指す際におすすめの転職エージェント
-
C#エンジニア向けの求人を取り扱う転職エージェントは多くあります。
選ぶ際は、「C#エンジニアの求人が豊富か」「希望する転職地域に対応しているか」「担当者はこちらの希望をしっかり聴いて理解してくれるか」の3点を意識すると良いでしょう。
求人数と対応エリアについては、本記事が紹介するおすすめサービスにてあわせて説明します。
担当者の品質については、まずは「ここが良さそう」と感じたサービスを2~3つ登録して、そのうえで自分に合った担当者を見出して利用を絞っていくのがおすすめです。
レバテックキャリア
-
エージェントは全員エンジニア経験者!「エンジニアリングに理解のある担当からのサポートが欲しい」という人におすすめです。
レバテックキャリアは「エンジニア実務経験者」のサポートに特化した転職エージェントサービスです。
保有求人数もIT・Web業界特化型サービスの中ではトップクラスで、かつエンジニアの専門知識を持つキャリアアドバイザーからサポートを受けられます。
「年収アップなど待遇面での改善をしたい」、「エンジニアとしてのキャリアプランを掘り下げたい」、「書類や面接で評価してもらえるようアドバイスを欲しい」というエンジニアの人は、レバテックキャリアがおすすめです。
レバテックキャリアの特徴 |
|
---|---|
サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京、神奈川、大阪、福岡 |
C#エンジニア関連の求人数 | 約3,000件(2024年6月現在) |
マイナビIT AGENT
-
「ITエンジニア専門の転職エージェント」でまず挙げられることの多いサービスです。開発会社から事業会社まで豊富な求人を擁し、書類作成・面接準備へのサポートも充実しています。
マイナビIT AGENTは人材紹介会社の大手マイナビが運営する「IT/Webエンジニア専用」の転職支援をするエージェントです。
サポート対応地域は全国。オンラインでの面談も受け付けています。
マイナビIT AGENTの大きな特徴は、エンジニア向け求人数の豊富さ、そしてシステム会社から事業会社まで幅広い業界の求人に対応している点が挙げられます。
C#エンジニア関連の求人も数多く取り揃えています。
マイナビIT AGENTの所属アドバイザーは、全員がIT・Web業界に精通したプロフェッショナルです。
幅広い職種に対応している総合型転職エージェントとは異なり、エンジニアの転職事情を十分に理解しているため、転職者一人ひとりに適した開発環境や企業へのアプローチ方法についてアドバイスしてもらえます。
また、マイナビの転職サービスは「サポートの丁寧さ」にも定評があり、職歴書の作成や面接対策に不安を感じている人におすすめです。
マイナビIT AGENTの特徴 |
|
---|---|
サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京(2か所)、神奈川、北海道、宮城、愛知、大阪、京都、兵庫、福岡 |
C#エンジニア関連の求人数 | 約2,200件(2024年6月現在) |
リクルートエージェント
-
C#エンジニアの求人数は国内トップ!豊富な支援事績をベースにした転職支援得ツールも豊富で、「正しい転職活動を知りたい」という人にもおすすめです。
リクルートエージェントは国内No.1の求人数と転職支援実績を誇る転職エージェントです。
リクルートエージェントの強みは全業種・職種に対して豊富な求人数を持つこと、そして長年の実績で培われたノウハウ・転職支援ツールの充実さにあります。
C#エンジニア関連の保有求人数は約3.0万件(2024年6月現在)。国内転職サービスでもトップレベルの多さです。
リクルートエージェントでは、志望企業の特徴・評判といった分析から選考のポイントまでをまとめた「エージェントレポート」を用意してくれます。
システム開発企業やベンダー企業における開発環境等の詳しい内部情報はネットで公開されていないものも多いため、レポート情報はあなたの活動に大いに役立つはずです。
また、担当アドバイザーもこれまでの実績をもとにC#エンジニアへの転職に関する有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
リクルートエージェント登録後に無料で活用できる、職務経歴書を自動で作成できる「職務経歴書エディタ」や無料の「面接力向上セミナー」のサービスもおすすめです。
リクルートエージェントの特徴 |
|
---|---|
サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 北海道、宮城、福島、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、神奈川、新潟、静岡、石川、岐阜、滋賀、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、加賀、愛媛、福岡、長崎、熊本、鹿児島、沖縄 |
C#エンジニア関連の求人数 | 約3.0万件(2024年6月現在) |
ワークポート
-
未経験職種への転職支援に強いと評判のエージェントです。「未経験でも、積極的に支援してほしい!」という人におすすめです。
ワークポート(WORKPORT)は「業界・職種未経験者」のサポートに優れており、なかでもIT・Web業界の支援に強い転職エージェントです。
全都道府県の地域を対象としており、オンライン面談も受け付けています。
また、ワークポートに登録した際に担当となってくれる転職コンシェルジュ(アドバイザー)は、積極的な求人提案をしてくれることでも知られています。
転職先を検討するにあたって、できるだけ多くの求人を比較した上で応募先を決定したい人や、担当アドバイザーからの提案を多く受けたい人は、ワークポートのサポートがマッチしやすいでしょう。
他の転職エージェントに登録したものの、想像していたほど求人を紹介してもらえなかった人や、担当者のレスポンスが鈍く転職活動が進まないと感じていた人にこそ、ワークポートを利用するメリットを実感できるはずです。
ワークポートの特徴 |
|
---|---|
サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 北海道、宮城、福島、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、神奈川、新潟、静岡、石川、岐阜、滋賀、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、加賀、愛媛、福岡、長崎、熊本、鹿児島、沖縄 |
C#エンジニア関連の求人数 | 約4,500件(2024年6月現在) |
まとめ)決意と意欲を持つことで、C#エンジニアへの道が開ける
C#エンジニアはなるまでに必要な努力も、転職後に任される業務も、決して楽ではありません。このため、楽に仕事をしたい人には向きません。「必ずC#エンジニアになる」という決意と意欲が必要です。
一方で、C#はさまざまなシステム開発に活用される言語でありながら、習得している人数が少ないことも特徴です。求人数も多いため、いったんマスターしてしまえば仕事を続けやすい言語ともいえます。特定の業界の景況に影響されないことも、よい点にあげられます。
「将来のことを考えれば、今はがまんできる」そのような人に、C#エンジニアは向いています。