「サービス提供責任者(サ責)を辞めたい・転職したい」と思った時の対策・ポイント
[最終更新日]2024/07/09
現在、訪問介護事業所にて、サービス提供責任者をしている方々で、
「業務量が多すぎる」
「職種を変えたい」
「退職したい」
──などと考えている人は、多くいるのではないでしょうか。
今回は、サービス提供責任者を辞めたいと思う理由でよくあるケースや、辞めたくなった際にまず振り返りたいポイント、それでも「サービス提供責任者を辞めたい」と思った場合の選択肢についてご説明していきます。
目次
1)「サービス提供責任者(サ責)を辞めたい」理由で、多いのは──。
幅広い業務をこなすサービス提供責任者。
在宅生活を支援する立場として、利用者・家族とケアマネジャーとの連絡や、シフト管理などの事務処理、ヘルパーへの指導、場合によっては直接ヘルパーとして入るなど、様々な業務を抱える反面、それだけ抱える不満やストレスは大きいようです。
サービス提供責任者を辞めたいと思う時の理由で、特に多い意見は以下の3点です。
忙しくてなかなか休みが取れない
サービス提供責任者は幅広い業務をこなすため、なかなか思うような休みが取れず、残業を行なうことも少なくありません。
利用者の在宅生活は365日休むことなく続きます。
サービス提供責任者もそれに合わせ、土日祝、お盆や年末年始などについても、常に利用者の状況や、自身が抱えているヘルパーについて気にかけておく必要があります。
なかでも大変なことは、シフト管理です。
ヘルパーはパート職員の場合が比較的多く、家族都合などにより急遽休みの連絡が来ることも少なくありません。
ヘルパーが急遽休みになった場合は、シフトを調整して別のヘルパーを配置させたり、それでも調整がしきれない場合は、サービス提供責任者自身が代理で勤務することもあります。
仕事量が多い上に、業務内容がなかなか安定しないため、休みが取りにくい状況になりがちなのです。
職場の人間関係でストレスを感じやすい
利用者や家族、ケアマネジャー、そしてヘルパーなど、多くの関係者と連携するサービス提供責任者。
関わりが多い故に、抱えるストレスもそれに乗じて大きくなりやすいでしょう。
また、利用者や家族は優しい人ばかりではありません。
何らかの理由で支援が必要になっているからサービスを利用しているわけであって、中には生活自体に余裕が無く、常にイライラしている人もいらっしゃいます。
ケアマネジャーは利用者や家族の要望を伝えるべく、ときに無茶な要望をサービス提供責任者に提示することもあります。
そしてヘルパーは、パート勤務のベテラン職員も多く、サービス提供責任者よりも年上で経験を積んでいるケースも少なくありません。そんなベテランヘルパーの勤務調整をしたり、ときにはクレーム内容を受け、改善するよう、指導を行なうこともあります。
言うべきことは言うべきタイミングで言うために、普段からの人間関係構築を意識する必要があります。
対人コミュニケーションに苦手意識のある人は、とくにストレスを溜めやすいでしょう。
自身の立場について理解者が少ない
サービス提供責任者の業務内容は幅広く多忙ですが、それを理解してくれる人はそう多くありません。
利用者や家族、ケアマネジャーも、サービス提供責任者の業務内容について詳しく知らないことが多いのです。
様々な方面へ気を配り、神経を使って仕事をしますが、その業務量に対する周囲の理解の無さが、悩みの種となることもあるでしょう。
業務の一つとして、ヘルパーの勤務調整がありますが、これがかなり精神的負担に感じている人が多いようです。
その一方では、利用者からは「(サ責の)〇〇さんは、最初の頃に来ただけで、最近は来てくれない」や、ヘルパーからは「サ責は事務所にいるだけで仕事をしていない」などと言われてしまうこともあります。
ストレスが大きくなった時は一人で抱えずに、同僚のサービス提供責任者などと、相談したり情報交換をしておくことは非常に大切な機会です。
2)サービス提供責任者(サ責)を辞めたいと思った時、まず振り返って欲しいポイント
サービス提供責任者の仕事を「辞めたい」と思うこともあるでしょう。
ですが、その時の感情だけで辞めてしまうと後々の後悔に繋がるかもしれません。
その前にもう一度、現在の仕事・働き方について以下の観点で振り返ってみましょう。
サービス提供責任者(サ責)として働くメリットに改めて目を向ける
サービス提供責任者として働くメリットでまず挙げられるのは、「キャリアアップを図りやすい」ことです。
責任者としてのマネジメント経験の蓄積や、ケアマネジメントのスキルを強化できます。
利用者と各ヘルパーの能力を考え、訪問するヘルパーを采配します。そして指示・指導を行なうため、その一連のマネジメント経験は多くの企業・事業所からニーズを感じてもらえるはずです。
転職を検討する際にも有利に働くことでしょう。
次に、給与が良いというメリットがあります。
サービス提供責任者は正職員として雇用されることが多く、ヘルパーと比較しても、月平均24,500円程度高くなります。(平成30年度介護労働実態調査。介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書より)。
安定した収入を得やすいでしょう。
また、サービス提供責任者ならではの「やりがい」についても、いちど再確認しておくとよいでしょう。
利用者や家族とケアマネとの間に立つため、嫌なことも請け負いますが、感謝の言葉を直接言われることも多いはずです。
仕事にかけている時間を書き出し、改善点を探してみる
サービス提供責任者の業務は多岐にわたるため、それぞれの業務にどのくらいの時間が掛かっているのか、おおまかでも良いので項目出しをしておくとよいでしょう。
例えば、訪問介護計画書の作成、各ヘルパーのシフト調整、利用者・家族やケアマネジャーとの連携、ヘルパーへの指導やクレーム対応、ヘルパー欠勤時の対応など。
あわせて、1週間または1ヵ月単位で、それぞれの業務にかかっている時間も書き出します。
文字に書き起こすことで、客観視できるようになり、業務の改善点を見つけやすくなります。
また、それらの業務に優先順位を付けてみるのも良いでしょう。忙しい業務の中で、今やらなくても良いタイミングで業務を行なってしまっていることなども見つかるかもしれません。
事務所や同僚に相談して改善できることはないか考える
周囲に相談できる人が居るか居ないかで、抱えるストレスは大きく変わるものです。
事務所や同僚に、現状の業務について相談して、何か改善策はないか一緒に考えてもらうことも有効です。
そのためには、日頃より信頼できる仲間や先輩を見つけ、困ったときに相談できる環境は作っておく必要があるでしょう。
また、特に同じ立場にいる、サービス提供責任者は心強い味方になるでしょう。
常時、情報交換をするなど関係性を保っておくと、助けになることも多いはずです。
視点を変えて考えてみる
日々の忙しい業務の中では、思わぬトラブルが起こるものです。そんな時は、視点を変えて考えてみることが大切です。
例えば、「ヘルパーが自宅を訪問すると、利用者がいませんでした。しばらくすると、うっかり近所へ出掛けていた本人が戻りました」ということがあったとします。
その際は、「なんで出掛けてるの」と思うのか、「同じことを繰り返さないためにどうすれば良いか」と考えるのでは、大きな違いがあります。
前者はただ感情的になってしまっているだけですが、後者は次回以降の改善策を考えています。
次に繋がる思考や行動を持てれば、段々と仕事の負担やストレスも軽くなるはずです。
また、自身を客観視することはとても大事なことです。
例えば自分の思っていたものと違う意見があった際に、一生懸命にやっているがために、つい反論したくなることもあるかもしれません。
しかし、大抵は反対意見を言う側にも一理があるものです。
「自分の主張を守る」よりも「相手の意見を取り込む」意識でいた方が精神衛生によく、業務改善にも繋がりやすくなります。
3)それでも「サービス提供責任者(サ責)を辞めたい」ときは、より良い環境の職場探しも
サービス提供責任者を辞めたいと思った時にまず振り返ってほしいポイントについて述べてきましたが、「それでも辞めたい」という人は、思い切って介護の別業種へ転職するという選択肢もあります。
もしかしたら今が、「自分のこれからの働き方を見直す」タイミングなのかもしれません。
また、その際は、介護士向けの転職サービスを活用することで、キャリア相談を受けられます。
実際に転職するとなった際も、活動をスムーズに行えるでしょう。
この章では、サービス提供責任者から次のキャリアについて考えた際に、良質なアドバイスを受けやすい介護士向けの転職サービスを紹介します。
レバウェル介護
-
介護系転職サービスでトップクラスの求人数。担当エージェントのサポート品質においても高評価の高いサービスです。
「仕事内容だけでなく、職場の環境や働きやすさについて詳しく知りたい」という人は、レバウェル介護のサービスがおすすめです。
「レバウェル介護」は、レバレジーズメディカルケア株式会社が運営する、介護のお仕事に特化した転職・就職支援サービスです。
同社の特徴は、介護の専門知識を持つキャリアアドバイザーが一人ひとりの転職者に対して丁寧に向きあい、きめ細かなサポートをしてくれること、そして求人紹介の際に職場の雰囲気やネガティブな情報も含めた詳細をしっかり伝えてくれる点が挙げられます。
サービス対応地域は北海道、宮城、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、愛知、静岡、大阪、京都、兵庫、奈良、広島、福岡とかなり広範囲にわたり、対面でのサポートにも向いています。
レバウェル介護の活用メリットとおすすめポイント
レバウェル介護は正社員、派遣社員の雇用形態に合わせて専門の窓口を設けています。
それぞれ豊富な求人を持っていますので、まずは転職先での雇用形態を決めた後に、いずれかの窓口に登録すると良いでしょう。
介護職経験者だけでなく、未経験や無資格の人へのサポートも行っており、利用者からは「積極的な求人紹介をしてもらった」という声も多いです。
施設・働き方別で求人を見た際はデイサービス・訪問介護がやや多くなっていますが、それ以外の施設求人も幅広く取り揃えています。
アドバイザーからのサポートを受けながらの利用がおすすめですが、サイト上で求人をチェックして自分で応募するという使い方もできます。
レバウェル介護の特徴
特徴 |
|
---|---|
サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約22万件(2024年7月現在) |
レバウェル介護は正社員向け転職と派遣社員転職とで窓口が分かれています。派遣社員として働くことを予定している人はこちらよりご登録ください。
マイナビ介護職
-
「福利厚生が充実」「教育制度が整っている」などのホワイト企業の求人が多いと評判のサービス。担当のサポートも手厚いです。
「介護職の求人紹介と併せて、キャリア相談もしたい」という人は、マイナビ介護職のサービスがおすすめです。
「マイナビ介護職」は、大手人材紹介会社マイナビグループの運営する、介護のお仕事に特化した転職・就職支援サービスです。
同サービスの特徴は、介護分野を専門とするキャリアアドバイザーが担当に就いてもらえる点、そして求人紹介や面接対策だけでなく、キャリアプランの策定等、転職活動全般への支援を行ってくれる点が挙げられます。
サービス対応地域は北海道、東京、神奈川、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡と広範囲にわたり、対面でのサポートにも向いています。
マイナビ介護職の活用メリットとおすすめポイント
マイナビ介護職は、「転職後の定着率」を重視しており、そのため紹介される求人もいわゆるホワイト企業といわれるような良質なものが多いといいます
雇用形態も正社員から派遣、パートまで取り揃えており、「これまでの経験を活かしつつも、勤務時間は抑えめにしたい」といった希望条件の求人も見つけやすいでしょう。
また、マイナビ介護職では履歴書の添削から面接対策までバックアップしてくれるのはもちろん、職場ごとの情報も丁寧に調べてくれるため、慎重に職場を吟味できます。
マイナビ介護職の特徴
特徴 |
|
---|---|
サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約7.8万件(2024年7月現在) |
マイナビ介護職の活用メリットの一つに「離職率や職場環境などの、詳細の施設情報を知れる」ことがあります。企業研究の際は担当からの情報を有効活用しましょう。
ジョブメドレー介護
-
介護職向けの求人数は国内No.1!バリバリ正社員で働きたい人から未経験・復職向けまで幅広い案件を確認できます。
介護の職場探しにおいて、なるべく多くの求人をチェックしたい…という人は、ジョブメドレーがおすすめです。
ジョブメドレーは、介護・医療業界での人材紹介を主事業とする株式会社メドレーが運営する転職・就職支援サービスです。
同サービスの特徴は、まず介護に関わる、豊富な求人数が挙げられます。
他の介護職向け転職サービスと比べても求人数はトップクラスで、未経験者向けのものから復職の際におすすめの求人案件まで、幅広い職種・雇用形態の求人を取り揃えています。
全国の求人に対応しており、そのほか登録後に企業からスカウトメールが届くこともあります。
ジョブメドレー介護の活用メリットとおすすめポイント
ジョブメドレーは、「求人の品質が高い」と評価されることが多く、その理由は登録者のニーズに合った求人が用意できているからです。
ジョブメドレーには他の転職エージェントサービスにあるような「非公開求人」がなく、寄せられた求人がすべて公開されているので、登録者すべてにチャンスがあります。
また、ジョブメドレーに登録すると、求人を掲載している病院や事業所からスカウトメールが届くようになります。
スカウトメール経由のお応募は自ら応募するよりも内定率が1.7倍もアップするといいます。
そのほか、ジョブメドレーで見つけた求人に応募して入職した人にはお祝い金が贈られるサービスがあります。
ジョブメドレー介護の特徴
特徴 |
|
---|---|
サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約25万件(2024年7月現在) |
ジョブメドレー介護のサービスは求人サイトがメイン。担当者からのサポートはありませんので、不安な人はレバウェル介護やマイナビ介護職といった介護職向けエージェントを併用しておきましょう。
まとめ)「サ責がどうしても辛い」ようなら、新しい職場または別の職種・役割への検討を
沢山の業務を抱え、『忙しくてなかなか休みが取れない』『職場の人間関係でストレスを感じやすい』『自身の立場について理解者が少ない』などと、ストレスを抱えがちなサービス提供責任者。
もしも、辞めたいと思った時は、「サービス提供責任者として働くメリットに改めて目を向ける」「仕事にかけている時間を書き出し、改善点を探してみる」「事務所や同僚に相談して改善できることはないか」そして「視点を変えて考えてみる」──これらのことを行なってみましょう。
現状を客観視したり、他者からの意見を取り入れたり、視点を変えてみることで、解決に繋がることもあるかもしれません。
それでも辞めたい時は、介護士向けの転職サービスを活用して、思い切って新しい職場または別の職種・役割へ転職するという選択も検討してみてください。