転職体験談:対人関係に疲れて辞めた管理会社。そしてITエンジニアに転職した私。
転職前
- 職業
- 警備会社
- 職種
- 営業、チーフ
- 従業員規模
- 20,000人
- 年収
- 280万円
転職後
- 職業
- ITサービス
- 職種
- エンジニア
- 従業員規模
- 8,000人
- 年収
- 220万円
目次
たっちーさんの転職ストーリー
1これまでの私
転職前は、「仕事と猫」が生活のすべてでした。
好きなもの──と言ってすぐに思い浮かぶのは猫、ですね
──ええ、実際に飼っています。私と猫の二人暮らしです。
転職前の生活では、猫が唯一と言えるくらいの「癒し」で、そして生き甲斐でした。
当時の私の仕事は警備会社の営業でした。
警備の委託を依頼する企業(顧客)を開拓して、それと並行して部下(警備に入るスタッフ)のスケジュール管理と調整を行って。
とにかく、忙しかったですね。
仕事はいつも山積みでしたし、かといって放ってしまえばチーム全体のスケジュールだけでなく、お客様先での運用体制もが狂っていってしまいますので。
帰りはいつも遅く、体力も精神力もギリギリでした。
…え?猫はどうしてたかって?
ちゃんと様子を見てましたよ。お昼休みは猫の様子を見にわざわざ家に一度帰ってましたから。
だから、職場も家から近いところを選んでいました。
2転職のきっかけ
ある日、何の前触れもなく切れた糸。
猫との暮らしは幸せでしたが、仕事はどちらかというとその逆、というよりかなり不幸せな状態でした。
とにかく、誰も言うことを聞いてくれなくて。
部下の面倒と言っても、皆私よりも年上でしたから、まあしょうがないところもあったのでしょうけれど、それでもちょっと…ひどかったですね。
当時は私が一番年下でした。ですから、部下にも敬語を使っていましたし、気も遣っていました。
元々残業も苦になるタイプ(好きな人なんていないでしょうけれど)でしたが、周囲の人よりも残って仕事をしていました。
警備に入る人の多くは、24時間のシフト制です。
皆さんそれぞれのプライベートもありますので、休みの要望を丁寧に聞き入れ、かつ人間関係の摩擦が見えたら人員配置も調整して、「なるべくストレスのない職場環境」を意識しながらシフトを組んでいました。
- 上司
-
「そこまで気を遣っていたら、お前の身が持たなくなるよ」
と上司に言われたこともありました。
──私は新人の頃に、上司から大変な仕事をいつもいつも押し付けられてきていたので。
部下に対して無茶振りのような仕事を与えるのは、とても強い抵抗感があったのです。
(せめて、自分の部下には同じ想いをさせないようにしよう)と、思っていました。
ですが、そんな想いはよそに、部下は我が侭を言い放題です。終電まで必死に考えて出したシフトに対して、翌朝スタッフから
- 部下
-
「こんなシフトじゃやっていけないんですけど」
と切り捨てられたたこともありました。
部下の文句は日常茶飯事、そして上司は楽していて、自分だけが一向に休めない。
私の状態をくみ取ってくれる人なんて誰もいませんでした。
──何が間違っていたんでしょうかね。
今でも当時のことをよく考えます。
単に私の管理能力が足りないだけなのか。それとも、私の価値観や考え方は周りとずれているのか。
そんなある日。
なんの前触れもなく糸が切れました。そして、もう転職をしようと思いました。
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3転職中
猫と実家に帰って、そこで転職活動を始めて。
退職する前の有給が2ヵ月ほどありましたので、その時に転職先を探しました。
「辞めます」と会社に伝えた時は(本当に大丈夫だろうか)という不安が大きかったですが、休みに入ってからは気持ちも大分落ち着いて、(乗り越えていこう)という気持ちに代わっていきました。
きっと、忙しすぎていたのかもしれません。
転職活動はいったん猫と2人で実家に帰って、そこで行うことにしました。
家族も退職したことに変に責めることもせず、「少しの間、静養期間もあったほうが良いだろう」と言ってくれたのはありがたかったです。──あと、猫の世話も手伝ってくれたことも。
転職先は、前職と違ってIT系の会社に絞りました。
人の管理ではなく、自分でタスクを持って粛々と進めていくのが私に合うような気がしたからです。
ちょうど転職活動を始めたときが、求人の多い時期(2月~3月)で。
幸いにして、1ヵ月後には1つの会社から内定をいただきました。
4転職後
転職後に気づけたもの。見えてきた想い。
転職先の新しい会社は、はまさに「アットホーム」な感じのする職場でした。
さすがに役員の方々と話すときは緊張しますが、それでも多少の上下関係はあまり関係なく気軽に話せるような環境で、数日もするとその雰囲気に慣れることができました。
直属の上司は、いつも私が遅くまで仕事しないように調整してくれていました。
すると不思議なもので、私のほうでは「役に立つんだったら、多少残業してでも、もっと仕事をしていたい」と思うようになって。
──以前はあんなに残業が嫌だったのに笑。
正直、会社全体の忙しさでいうと前職より今の職場の方が断然に忙しくしていました。
それでも、新しい会社には、「お互いに協力しながら、乗り越えていこう」という雰囲気というか、風土があったんですよね。
上の人たちは、部下のためにも頑張ろうと思っていて。それを見て、下の人たちもそれに付いていこうとする。
まさに、私が以前までの職場で求めていたものが、この職場であったのです。
- 私
-
(きっと、俺はずっと、こういう職場を目指したかったんだろう)
そう感じたとき、嬉しかったですね。
自分のやろうとしていたことは、きっと間違っていたことではなくて、そして今、同じような想いを持った人たちがたくさんいるということが実感できたのですから。
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5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと、感じることは。
なぜ前職と今回の職場で、こうも違っていたのか。
前職では仕事や厄介ごとを人に押し付けるような風土で、一方で新しい職場では「助け合おう」という風土が形成されていたのは、どうしてか。
そして、私が前職で、今の職場の上司たちのような働きかけを目指していたのに、それができなかったのはなぜか。
──よく、そんなことを考えます。
きっと、理由はひとつではないのでしょう。
ただ、職場の風土というものは、一人の人間が抗おうとしても、どうにもしきれない大きな潮流のものがあるような、そんな気もします。
もし、「もっとこうしていきたい」という想いがありながら、その流れをまったく変えることができなかっとき、人はどうしていくのが良いのでしょうか。
ずっと耐えていくことも、もしかしたら一つの選択肢かもしれません。
「変わらない」状況というのは、もしかしたら「変わるのに時間がかかっている」だけなのかもしれません。
ですが、私個人の考えとしては、職場での悩み・ストレスが深まって、かつそれが「対人関係」によるものだとしたら、その職場は辞めた方が良いと思います。
もちろん、次の職場が必ずしも良い職場かどうかはわかりませんし、転職はそれ以外にも「なかなか決まらない」であったり、金銭的な不安もあるでしょう。
それでも、「悩み続けてしまって前に進めないような状態」は、なるべく早く脱却していけるようにするべきだと、私は思います。
なぜなら、「時間は有限」だから。
◇ ◇ ◇
可愛がっていた猫も、高齢に差し掛かってきました。
今も健康ですが、それでも以前と比べると動作は少し緩慢になってきたり、ご飯を食べる量が減ってきたりと、月日の流れを感じさせることも多くなりました。
そんな猫を見ていると、「限られた時間を、最大限有意義に、そして自由を感じながら、生きて欲しい」という気持ちになります。
──私自身も、仕事でそんな風にずっと、働いていきたいですね。