福岡県へUターン転職したい人に。福岡で働くメリット・デメリットと転職成功のポイント3点
[最終更新日]2024/10/29
福岡県福岡市は「モノクル『世界で最も住みやすい都市』ランキング2022」で世界22位にランクインした都市であり、地元の人はもちろん、転勤で訪れた人のなかにも定住したいと考える人が多いようです。
九州地方の主要都市ではありますが、いざUターンやIターンのために転職しようと思うと、東京や大阪とは事情が異なります。
目次
1)福岡で働くメリット
福岡県外に住んでいる人が転職活動をする前に、その就職事情やメリット・デメリットについて知っておくことが大切です。
まずは福岡で働くメリットについて整理しておきましょう。
福岡で働くメリット
- メリット1 転職先の業種が多岐にわたる
- メリット2 東京や大阪と比べると生活費が安い
- メリット3 未経験者でも応募できる求人が多い
- メリット4 グローバル創業・雇用創出特区に指定されている
福岡で働くメリット1 転職先の業種が多岐にわたる
福岡県には東京や大阪に本社を置く一部上場企業の支社が多く、現地採用を行っている会社も少なくありません。
また、地場企業も漁業や農業・林業といった一次産業をはじめ、住宅設備機器メーカーであるTOTOや、電子地図の製作・販売をするゼンリンの本社もあります。
さまざまな業種の企業があり、中途採用を積極的に行っているので、転職先を探しやすいのは大きなメリットです。
業種が多岐にわたり求人数が多ければ、自分に合う仕事や会社を探しやすくなるはずです。
福岡で働くメリット2 東京や大阪と比べると生活費が安い
福岡県の平均賃金は約29万円、全国平均の約31万円と比べてやや低めです(厚生労働省「令和3年賃金構造基本調査結果」より)。
参考:全都道府県の平均賃金比較
引用元:厚生労働省「令和3年賃金構造基本調査結果」 ※グラフは弊社作成
ただし、生活費は首都圏と比べると格段に安くなっています。
その理由は、首都圏と比べると家賃が抑えられるからです。
地域ごとの物価を表す「消費者物価地域差指数」(全国平均=100)によれば、福岡県の総合指数は97.4、住居に関しては90.0となっています。
東京都であれば住居の指数は134.5ですので、大幅に家賃が抑えられることが分かります(※)。
よって、年収が多少下がったとしても生活費を抑えられる分、生活レベルが大きく下がったとは感じないでしょう。
他の大都市圏と比べると生活費を抑えられることは、福岡で働くメリットといえます。
※総務省「消費者物価地域差指数 小売物価統計調査(構造編)2020年(令和2年)結果」より
福岡で働くメリット3 未経験者でも応募できる求人が多い
福岡の中途採用では未経験者OKの求人が数多く見られます。
営業職や販売サービス業が占める割合が高いものの、移住が目的で転職先を探している人には朗報かもしれません。
福岡県の県内総生産のうち卸売・小売業が占める割合は13.3%、不動産業が占める割合は11.9%と、ともに高い構成比となっています(※)。
いずれも営業・販売スキルが求められる業種ですので、異業種での経験を活かせる可能性が十分にあるでしょう。
※「令和元(2019)年度 福岡県民経済計算の概要」より
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福岡で働くメリット4 グローバル創業・雇用創出特区に指定されている
福岡県の中でも、とくに福岡市は国家戦略特区である「グローバル創業・雇用創出特区」に指定されています。
福岡空港では10か国・18都市への直行便が運航しており、グローバルな人材の交流や起業の増加が期待されている地域なのです。
実際、2015〜2020年における福岡市の人口増加率は政令指定都市の中で最も高く、東京への一極集中が進む昨今においても人口が増え続けています。
出張や旅行で福岡市を訪れたことがある人なら、都市機能がコンパクトに凝縮されており、地下鉄が空港に直結している利便性の高さを実感したことでしょう。
このようにビジネスチャンスが豊富でアクセスが良好な環境が整っている福岡市は、キャリアを築いていく上で好条件がそろっている都市といえます。
将来的なキャリアプランを考える際にも、とくに福岡市で働くことは多くのメリットを得られる選択肢となり得るでしょう。
2)福岡で働くデメリット
福岡で働くデメリット
- デメリット1 有効求人倍率が全国平均よりも低い
- デメリット2 福岡県内でも雇用事情は地域によって変わる
- デメリット3 地方ならではの風習が負担になるケースがある
- デメリット4 ブラック企業か否かの見極めが難しい
福岡で働くデメリット1 有効求人倍率が全国平均よりも低い
2022年5月時点での福岡県の有効求人倍率は1.13倍です。
有効求人倍率とは
「求職者1人に対して、企業などから何件の求人があるか」を示す値です(厚生労働省が公表)。
有効求人倍率が1倍を上回ると求職者よりも求人数の方が多い状況(売り手(=求職者)市場)で、逆に1倍を下回ると求人数より求職者数が多い状況(買い手(=採用企業)市場)となります。
同月の全国有効求人倍率は1.24倍ですので、全国的に見てやや転職が難しい地域といえます。
職種別の有効求人倍率をみてみると技術職が1.48倍、一般事務職が0.38倍、販売職が1.50倍、サービス・接客業が2.25倍、農林漁業の職業が0.96倍、建築・土木技術が3.94倍、となっています。
事務職として転職するのは難しそうですが、サービス接客業や建築・土木技術職であれば求人を探しやすいはずです。
参照データ:厚生労働省福岡労働局「職業紹介の状況」
福岡で働くデメリット2 福岡県内でも雇用事情は地域によって変わる
福岡県は「福岡」「北九州」「筑豊」「筑後」という、4つの地域に分かれます。
そしてこの4つの地域は、地理的な条件だけでなく歴史や経済特性が異なっているのです。
職業施設が集中する福岡市、工業都市である北九州市、第一産業が盛んな筑豊や筑後では、中途採用を推進する企業の業種も異なります。
福岡市は営業・販売・サービス業の求人が豊富ですが、それ以外の地域は誘致が進められる自動車関連企業の募集が多いです。
自分が転職を希望する職種によっては、仕事を探せるエリアが限定される可能性があります。
そうした地域によって異なる雇用事情をリサーチしたうえで、転職活動を始めるようにしましょう。
福岡で働くデメリット3 地方ならではの風習が負担になるケースがある
首都圏であれば、集合住宅に住んでいても隣近所と顔を合わせることは少ないものです。
職場の付き合いも希薄なケースが多く、公私に線引きをした付き合いになるのは珍しいことではありません。
ですが福岡では、昔ながらの近所付き合いがある地域が多く、コミュニティへの参加を求められることがあります。
それは職場でも同じで、飲み会や社員旅行を断りにくい風潮があり、それが負担になるケースも少なくないようです。
地方に多い濃密な人間関係を避けると、仕事も生活もしにくくなります。
そうした首都圏にはない地方の風習に、慣れる努力が必要なのです。
福岡で働くデメリット4 ブラック企業か否かの見極めが難しい
福岡県に在住していれば、地元の“ブラック企業”の噂を耳にすることもあるでしょう。
ですが、県外から転職してくる場合、そうした情報を得にくいという現実があります。
求人票に書かれていることがすべてではないので、入社した後で長時間労働を強いられる、賃金は残業手当込みだったなど、ブラック企業であることを知るケースも少なくないようです。
そうしたブラック企業か否かの見極めが難しいのが、IターンあるいはUターン転職のデメリットの一つです。
特に高収入の求人への応募を検討している時には、インターネットを活用してしっかり企業研究をすることをおすすめします。
企業研究のポイント
企業研究をする際に、優先して見るべきポイントは以下の通りです。
チェック項目 | 確認ポイント | どこで確認するか |
---|---|---|
事業内容 | 自分自身の知識領域にあるか、また今後も興味・関心を持ち続けられる内容かを確認する | 企業HP |
主力商品・サービス | その商品・サービスの開発・運用を自身が携わることになる際に、どの範囲まで知っていて、どの範囲を知らないかを確認する | 企業HP、業界ニュース、四季報、業界地図、競合他社のHPなど |
強み・独自性 | 同業他社をいくつか確認し、「この会社ならではの特色・強み」がどこにあるかを見出す | |
企業理念 | 企業理念から、求められる人物像(主にスタンス面)をイメージし、自身との適合性を確認する | |
社風・雰囲気 | 歓迎される人物像や業務への取り組み姿勢をイメージする | インタビュー記事、口コミサイトなど |
求められる知識・スキル | 現在の自身の知識・スキルと照らし合わせて、過不足を確認する | 企業HP、求人票など |
こうしたリサーチを重ねた結果、「この企業で働いてみたい」「こういった文化の会社なら馴染めそうだ」といった手応えを得られれば、入社後のミスマッチを軽減する効果が期待できます。
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3)福岡県外からUIターン転職する際に押さえておきたいポイント3点
福岡県外からIターンあるいはUターンで転職したいと考えているなら、活動を始める前に押さえておきたいポイントが3つあります。
転職後に「失敗だった」と思わないためにも、押さえておくべきポイントを踏まえて転職活動を進めることが大切です。
できるところから、実践してみてください。
ポイント1:Uターン・Iターン転職は準備をしっかりと行う
福岡への移住と転職活動をどちらも成功させるためには、事前準備をしっかりと行っておく必要があります。
遠方から福岡県への転職・移住を検討している人は、事前のスケジューリングがとても大切です。
通常、Uターン・Iターン転職には、おおよそ6ヵ月前後の期間がかかるといいます。
どのようなプロセスがあるかについて、詳しく見てみましょう。
- ①情報収集(数日~数週間)
- ②スケジューリング(数日~数週間)
- ③求人の応募と面接(2~3ヵ月)
- ④移転先の住居探し(2~3ヵ月 ※賃貸物件の場合)
- ⑤現職での退職届、業務引き継ぎ(1~2ヵ月)
- ⑥引っ越し
※カッコ内の期間は、各プロセスにかかる期間目安です。状況によって変動しますのでご注意ください。また、①~③および④と⑤は並行して進めることが多いです。
また、福岡県でどんな生活を送りたいのか、仕事はどんな職種を希望するのか、希望の年収などと、自分の今までの経歴やスキルなどを照らし合わせてこれからのキャリアプランを検討する時間も必要でしょう。
参考:キャリアプランとは
キャリアプランとは、あなたが将来に望む仕事や働き方を実現するためのプランニング(行動計画)のことをいいます。
具体的には、以下のようにプランを立てます。
キャリアプランは、上記の「キャリアプランの例」にあるように時期ごとに「実現したいこと」と「そのためにやること」を表形式に落とし込むと、そのイメージを整理しやすくなります。
ポイントは、半年や1年ではなく、3年・5年といった中長期的な期間を見据えることです。
今のうちにマスターしておくべき知識・スキルや取得しておくべき資格が出てくるかもしれません。
数か月に1度のペースでキャリアプランを考えておくと、普段においてもキャリアの軸を持てるようになり、迷いのない判断をしやすくなります。
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これまでのキャリアを振り返り、そして福岡の地で実現したいキャリアプランを立てることで企業へのアピールポイントがはっきりし、面接でしっかり自己アピールをすることもできるようになります。
地方移住という大きなできごとの前に一度、職歴や自分のスキルを振り返ってみましょう。
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ポイント2:Iターン・Uターンの支援制度を活用する
福岡県へのIターンやUターンを考えているなら、各自治体が設けている支援制度を調べておきましょう。
東京圏・大阪圏・名古屋圏から下記の市町村に転入する場合、世帯であれば100万円+子ども1人につき30万円、単身であれば60万円が移住支援金として支給される制度を福岡県が設けています。
福岡県 移住支援金支給制度 対象地区
北九州市、大牟田市、久留米市、直方市、飯塚市、田川市、柳川市、八女市、筑後市、大川市、古賀市、うきは市、朝倉市、みやま市、粕屋町、芦屋町、岡垣町、桂川町、東峰村、大刀洗町、広川町、香春町、川崎町、大任町、福智町、苅田町、みやこ町、上毛町、築上町
(令和4年月13日現在)
また、市町村で独自の補助金制度を設けているケースも見られます。北九州市の場合は、市外から転入して新築住宅を立てる世帯に対し、最大で50万円の補助が受けられるのです。
移住にあたって、こうした制度を活用できるのは大きなメリットです。
また、IターンやUターンの希望者に対し、求人情報を提供している自治体もあります。
具体的には、福岡県の「福がお~かくらし」などです。
福がお~かくらし https://ijuu-teijuu.pref.fukuoka.lg.jp
ここでは移住者情報も公開されているので、参考になるはずです。
自分が移住を考えている福岡県の地方自治体で同じような支援制度がないかを、まずはリサーチしてみましょう。
ポイント3:転職サイト・エージェントは福岡県の転職支援に強いサービスを「複数」活用する
移住を伴う福岡県での転職を成功させたいなら、転職エージェントなどのプロを活用するのが一番です。
遠隔でもさまざまな求人情報が集まってきますし、キャリアカウンセラーとの面談を実施するケースがほとんどなので、応募者の適性や志向性に合わせてマッチする企業を紹介してくれます。
その際、転職エージェントには複数登録するのがセオリーです。
というのも、転職エージェントによって得意なエリアや分野が異なり、それぞれが独自に持っている優良求人があるからです。
また、転職エージェントであれば面接で福岡を訪れる際に時間を有効活用できるよう、複数のアポイントを入れてくれる可能性もあります。
大手の転職エージェントであれば福岡で転職フェアなどのイベントをすることも多いので、実際に足を運んでその目で確かめながら応募企業をセレクトするのもよいでしょう。
4)福岡にUターン転職する際のおすすめの転職サイト
サービス名 | 福岡転職プラス |
リクルートエージェント |
doda |
ワークポート |
リクルートダイレクトスカウト |
マイナビエージェント |
パソナキャリア |
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メリット |
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デメリット |
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福岡県求人数 | 約1.0万件 | 約1.8万件 | 約1.3万件 | 約4,800件 | 約1.3万件 | 約2,500件 | 約1,500件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界※ハイクラス層向け | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年10月時点のものです。
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まとめ)福岡への転職を成功させたいなら事前準備を大切に!
今回は、福岡の企業に転職するメリットとデメリット、成功するためのポイントについてお話ししました。
福岡で働くメリット
- メリット1 転職先の業種が多岐にわたる
- メリット2 東京や大阪と比べると生活費が安い
- メリット3 未経験者でも応募できる求人が多い
- メリット4 グローバル創業・雇用創出特区に指定されている
福岡で働くデメリット
- デメリット1 有効求人倍率が全国平均よりも低い
- デメリット2 福岡県内でも雇用事情は地域によって変わる
- デメリット3 地方ならではの風習が負担になるケースがある
- デメリット4 ブラック企業か否かの見極めが難しい
福岡にUターン・Iターン転職する際のポイント
地方での転職、とくにUターン・Iターン転職においては、「なぜその土地で働きたいのか」という明確な目的を持つことが大切です。
今回紹介した「福岡で働くメリット・デメリット」を知ったうえで、あなたならではの「福岡で働く理由」を明確に持っておくことを意識するとよいでしょう。
また、Uターン・Iターン転職では、早いタイミングからの準備が大切です。
たとえば、「子どもが小学校に上がるタイミングで」と考えている場合は、その1~2年前からあらかじめ転職エージェントに登録して情報収集するなどのアクションが重要になるでしょう。
この記事を参考に、自分が納得のいく転職を実現してくれたらうれしいです。