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「クリエイティブな仕事に就きたい」それが四国に引っ越して事務職になって|私の転職体験談

転職前

BEFORE
職業
DTPオペレーター
職種
クリエイティブ
従業員規模
30人規模
年収
控えさせていただきます

転職後

AFTER
職業
不動産事務
職種
不動産関係
従業員規模
4人
年収
控えさせていただきますが、前よりは上がりました

目次

四国の主婦さんの転職ストーリー

1これまでの私

親からは、「残業の多い仕事だけにはつくな」と言われていたけれど…

イメージ図:親からは、「残業の多い仕事だけにはつくな」と言われていたけれど…

前職を辞めたのは2013年末で、首都圏でクリエイティブ系企業に勤めていました。

私は書籍のデータを作成するDTPオペレーター兼、校正をしていました。

昔からデザインなどに興味がありクリエイティブ系企業を目指しており、とにかく残業でも何でもやってできるだけ仕事を覚え、仕事では早くクリエイティブ性の高い仕事をさせてもらいたいという一心で人より仕事を早くこなすよう心がけていました。

DTPオペレーターとは

DTPオペレーターは、印刷物のデザインやレイアウトをコンピュータで行う専門職です。
書籍、雑誌、チラシ、ポスターなど、さまざまな印刷物の制作において、デザインソフトを使ってテキストや画像をレイアウトし、印刷に適したデータを作成します。

DTPオペレーターの主な仕事内容

仕事内容 説明
デザインデータの作成 Adobe IllustratorやPhotoshopなどのデザインソフトを使用して、書籍やチラシなどの印刷物のレイアウトを行います。テキストや画像の配置を工夫し、魅力的なデザインを作成します。
校正・修正 印刷前のデータを確認し、誤字脱字やレイアウトの崩れがないかをチェックします。また、クライアントやデザイナーの指示に従い、デザインの修正作業も行います。
印刷データの出力 完成したデザインデータを印刷用に変換し、PDFやEPS形式などで出力します。印刷所が求めるフォーマットに合わせてデータを調整し、品質の高い印刷物を仕上げるための準備を行います。
色校正の確認 印刷物の色味がデザイン通りに再現されているか、色校正を確認します。
印刷物の進行管理 デザインから印刷までの進行を管理し、納期に間に合うようスケジュールを調整します。印刷所やクライアントとの連絡を取りながら、円滑な進行をサポートします。

私は4人家族の長女でしたので、あまり堅い仕事につきなさいというような厳しいことは言われてきませんでしたが、残業が多かったり職場が遠いのを両親は嫌がっていて。

つまり、親が願うような働き方とはかなりかけ離れた仕事をしていました。

2転職のきっかけ

「あの人、もうすぐ辞めそうよ」と噂されて。

イメージ図:「あの人、もうすぐ辞めそうよ」と噂されて。

転職のきっかけは、結婚でした。

ただ私自身は「クリエイティブな仕事」に固執していて。

正直、(辞めたくない…!)と思っていました。

一方で連日23時まで残業し終電でなんとか家に帰る毎日を過ごしていましたので、両親からも現在の夫からも当時の仕事を続けるのは、

「ちょっと反対かな…」

父親

「もうちょっと、違う職場にだな、…」

「反対だよ」

──といった状況でした。

更には、夫が四国在住だったため、首都圏の仕事自体が続けられない状況だったのです。

そうこうするうちに結婚の話が出て、家族からの「そろそろ辞めたら」ムードも一層高まってきて。
それでも私は粘ってその仕事を1年続けました。

けれど職場で時々結婚することになるという話題を同僚と話していたところ、徐々に

職場の同僚

「あの人(私のことです)はもうすぐ辞めそうよ」

といったうわさ話が広がっていき、会社の方でも次の人を考えている雰囲気が伝わってきて。(人員確保を意識してのことですので、しょうがないとは思いましたが)

(さすがに、もう辞めどきなのかな…)

そんな思いで、私は退職に踏み切りました。

ただ正直、そのときはかなり未練がありました。

3転職活動中

新しい仕事を始めようにも、仕事自体が見つからない。

イメージ図:新しい仕事を始めようにも、仕事自体が見つからない。

四国に来てから1年程はその土地に慣れるので精一杯でした。

とりあえず退職後の給付金を受け取りながらハローワークで求人を見ているような状態でした。

実際に相談員の方と前職の話をして同じような業種の職場があるか相談したのですが、そもそもクリエイティブ企業の絶対数がとてつもなく少ないという状況です。

当然ハローワークにそういった求人はありません。

もっと言ってしまうと、私の嫁いだ先はそもそも仕事の数が全国平均よりかなり少ない地域でした。

そのため国から仕事が少ない地域認定を受けてるため、給付金を受けるための求職活動の実績判定も緩和されている状況でした。

元々私もハローワークで求職しようと考えていた訳ではありませんでしたが、どの分野に関しても、仕事そのものがあまりない場所ということで頭を抱えたのを覚えています。

最終的には「宅建士」の資格を取得して、私は地元の不動産会社に就職しました。

住宅需要自体は全国的には小さくなっていますが、地方に関して言えば必要な人は必要だという実感があり、比較的安定した職業だと感じていたからです。

4転職後

DTP業界から不動産業界という、まったく畑の違う業界に転職して

イメージ図:DTP業界から不動産業界という、まったく畑の違う業界に転職して

転職先は地元の小さな不動産会社の事務職でした。

不動産会社の事務職とは

不動産会社の事務職は、物件の契約手続きや顧客対応、書類作成など、営業や管理業務をサポートする役割を担っています。
不動産取引に関する多岐にわたる業務を正確かつ迅速に処理し、企業の円滑な運営を支える重要なポジションです。

不動産会社の事務職の主な仕事内容

仕事内容 説明
契約書類の作成 物件の売買や賃貸に関する契約書や重要事項説明書などの書類を作成します。
顧客対応 物件に関する問い合わせ対応や来客対応を行います。電話やメールでの問い合わせ処理や、契約手続きに関するサポートを行い、丁寧な接客が求められます。
物件情報の管理 物件の情報をデータベースに入力・管理し、常に最新の情報を保つようにします。物件情報を顧客や社内に共有するための業務です。
入金・支払い管理 契約に関連する入金の確認や賃貸物件の家賃管理、支払業務を担当します。正確な金銭管理が求められます。
庶務業務 社内の郵便物対応、備品管理、会議室の予約など、日常的な事務作業も担当します。事務全般にわたる幅広いサポート業務です。

こちらの地域では県民性だと思いますが、どの方も比較的穏やかで優しく、仕事に厳しすぎるということはありません。

職場内のどの人も比較的のんびりしてる印象です。

お客さまも失敗しても寛容な方が多く、こちらが申し訳ないぐらいの気持ちになったりしたものでした。

逆にこちらがトラブルがあった時に厳しく対応すると、少し周囲から浮いてしまうぐらいのところもありました。

仕事をするにはやりやすい地域でありますし、現在の職場は前職に比べれば非常にクリーンです。

失敗しても取り戻す努力をすればきちんとフォローしてくれる人がいます。

前職では仕事の出来不出来で、いじめもひそかにありましたが、今では他企業の方と接してもあまり厳しすぎる印象はありません。

私自身も、(もっと人に優しくならないと…)とよく感じました。

逆に言えばバリバリ仕事をするような雰囲気がこの地域全体にあまりなく、たまに物足りない感じがすることもあります。──まあ、ぜいたくな悩みなのかもしれません。

5その後、どうなったか。

転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。

イメージ図:転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。

今の時代で言えばブラック企業がはびこり、就職できても苦労が絶えない風潮を感じていますが、地方に行けば、地域によっては必ずしもそんな場所ばかりではないのだなと思いました。

結果的に私はクリエイティブな職業からは離れましたが、こちらではクリエイティブ活動をしている人(特に若い人)はとても重宝されていますし、自分で何かしようとしている人は一目置かれています。

ただし、全部自分でやっていかなければならないところがあります。

一方で「仕事そのものが無い」という土地では、自分のやりたい仕事をするために「雇ってもらう」という考えそのものが成立しないケースが多いのだと思い知りました。

職業の分野を変えて転職したことも大きく自分に影響を与えていると思いますが、過去の自分は「いまの会社の中で色々なことをやれるようになりたい。認めてもらいたい」と思っていて、今思えばそれは頭が固く視野が狭かったのだなと反省しています。

◇ ◇ ◇

今になっては、「どうしてもやりたいことは、趣味でやるのでもいいのかな」と思うようになりました。

職種を変えての転職は、未知の領域に対する恐怖心がありました。

けれど私はそれ以上に、「今までの自分を捨てなければならない」という気持ちが強く、それはそれまで努力してきた自分を否定するようで、なかなか踏ん切りがつきませんでした。

昔は職業柄そういった思いが募りやすかったのかもしれませんが、イメージだけで考えるのではなく、実際体験してみないと仕事の世界はわからない ものだなと今は思います。
結婚して仕事もしたら、きっと自分の時間なんてほとんど無くなるだろうなと当時思っていましたが、意外に今の方が前よりも毎日充実しているように思います。

残業時間が減ったぶん、夜に自分で自由に使える時間が増えました。

何よりも精神的に追い立てられる環境から解放されたので、家に帰ってから「あれをやろう、これをやろう」という気持ちが湧いてくるようになりました。

これからは仕事一本の自分ではなく、仕事と家庭と自分の時間をバランスよく使うことを大切にしていこうと思います。

もしも結婚せず前職にしがみついていたら、きっと私は仕事以外からっぽの人間だったと思うので、結果的には転職は成功したのかなと思っています。

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