介護の仕事でもパソコンスキルは必要?事前に準備したいPCスキル・知識4つ
[最終更新日]2024/07/21
「パソコンが苦手なんだけど、介護職では必要なの…?」
「どの程度パソコンスキルがないとダメなの…?」
「パソコンが使えないと面接等で不利になる…?」
本記事では、そんな『介護職に必要なパソコンスキル』について徹底解説していきます。
タイピングから始まり、WordやExcelなどの基礎的なパソコンスキルすら苦手…という方は多いかと思います。
オフラインのコミュニケーションが大切な介護職では、パソコンスキルが必要ないように感じている方もいるでしょう。
目次
1)介護の仕事で発生する主なパソコン業務
主な『介護職でパソコンスキルが求められる業務』は以下の4つです。
- 1 書類の作成
- 2 記録の入力と確認
- 3 レクリエーションの準備
- 4 業務に関する情報の検索
介護施設や介護の形態、管理者かどうかなどの条件によって利用の有無は大きく異なりますが、今後IT化が進むにつれて、上記の業務は一般の介護職員にも求められる可能性が高くなります。
そのため、ぜひ「自分には業務がこなせるパソコンスキルがあるか…」という視点で読み進めてみてください。
#1 書類の作成
介護の現場では、初心者でも書類の作成を任される可能性があります。主な作成書類の例は、以下のとおりです。
- 介護職員で共有する仕事のマニュアル
- 会議で使う資料
- 施設で行うイベント等の告知書
- ご家族への連絡書類
このように、パソコンによる資料作成をするシーンは様々あります。
また、更にサービス提供責任者や施設長などの管理職や、ケアマネージャーなどにキャリアアップすると、更にパソコンスキルが求めらるようになります。
- 介護計画書の作成
- 諸々の請求書類
- 多職種との連携に必要な書類
- 記録簿の作成
- シフト表の作成
上記のように、WordやExcelの応用的な知識が必要な書類を多く作成することになるでしょう。
管理職などのキャリアアップを目指す予定の人は、今からパソコンに慣れておくことが必要です。
#2 記録の入力と確認
デジタル化やDX推進が進んだ介護施設では、介護記録の入力や確認をパソコンで行うこともあります。
会社が専用のソフトウェアを導入して、データを一括管理したほうが効率的だという流れが徐々に浸透してきているため、今後ますます一定のパソコンスキルが求められるようになるでしょう。
特に介護福祉のベンチャー企業では、社員にパソコンスキルを求めるケースが多いです。
転職の際は、面接の場で具体的にどのようなパソコンスキルが必要になるか確認するとよいでしょう。
#3 レクリエーションの準備
レクリエーションでパソコンスキルが求められるケースも多いです。
例えば利用者の人数が10~20名と多い場合、「計算クイズ」「漢字の読み書き」「ぬり絵」などの元データをインターネットから探して印刷する──、というこもとも多く見られます。
このとき、まずインターネット検索のスキルが求められます。
また、印刷用にWord等のアプリケーションで加工するスキル、その後プリンタで出力する手順の知識が必要となります。
最近では、介護レクリエーション案のまとめサイトもあります。言い換えると、「レクリエーションの幅を拡げよう」と思ったらインターネット検索は必要不可欠になるということです。
#4 業務に関する情報の検索
前項でお伝えした、インターネット検索のスキルは、レクリエーション以外においても介護業務全般で必要になります。
例えば最新の介護保険制度を調べたり、介護用語の意味を調べたり、介護資格講座の申し込みをしたりする場合にインターネット検索スキルは絶対に必要です。
もしそういった情報検索ができない場合、毎回パソコンが使える知り合いや、職場の同僚にやってもらう必要があります。これはお願いされた相手に手間をかけさせてしまうため、出来る限り自分でできる状態にしておくべきでしょう。
また、最近はスマートフォンやiPadなどのタブレット端末で記録の作成や、情報共有をする介護施設も増えています。
そのため、基本的な情報検索がスマホでできないとなると、業務に差支える可能性が高いです。基本的なパソコン操作はもちろんのこと、今のうちからスマホの操作に慣れておくことも重要です。
2)事前に知っておきたい&マスターしておきたいPCスキル・知識
では介護の仕事を始めるうえで、『事前に覚えておいた方が良い具体的なパソコンスキル』とは一体なんでしょうか?
介護の現場で求められる可能性が高い、最低限のパソコンスキルは以下の4つです。
- 1 Word
- 2 Excel
- 3 タッチタイピング
- 4 Google検索
それぞれ必要な理由も含め、詳しく解説していきます。
#1 Word
Officeの『Word(ワード)』は基礎的なパソコンスキルとしてマスターしておくと便利です。
入社したばかりの頃は研修で利用することがあります。またキャリアアップすると会議で必要な資料としてWordでの作成を求められたり、利用者のご家族へ連絡書類を作ったりする場合に利用することが多くなります。
さらに業務で必要なのとは別に、Wordを使うことで「文字を入力する・編集する」という基本的なパソコンスキルが自然に身に付くのも大きなメリットですね。
あとはWord以外にも、同じくOfficeの『PowerPoint』を用いてイベントの告知書等を作成することもあります。
WordとPowerPointの基本的な操作ができると業務の幅が増え、他の職員から求められる人材として扱われることが多くなるでしょう。
#2 Excel
Excelは管理職以上で利用するケースが多いです。
例えばシフト表の作成、記録簿の作成、モニタリングシートの作成、請求書の作成などはExcelで行うことが多いです。
SUM(Excel上の足し算)などの関数や、表を作るうえで枠線や色の付け方など、一度学んだだけでは覚えきれない機能への知識が必要になるため、一定の学習期間が求められます。
今は無料でExcelの基礎を勉強できるサイトも多いです。とくにYoutubeではExcel機能についてのレクチャー動画が数多くアップされています。気になる人はいちどチェックしておくとよいでしょう。
Youtubeのレクチャー動画の例
【ビジネス日本語】はじめてのビジネスメールの書き方 | ビジネスメールの書き方について優しく紹介。「件名をどう書けばよいか分からない」など、基本的な問いに優しく解説しています。 |
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Wordの使い方・初心者入門講座【完全版】 | Wordの使い方について、アプリの起動方法から書式設定まで、丁寧に解説しています。 |
Excelの使い方・初心者入門講座【完全版】 | Excelの使い方について、アプリの起動方法から関数の使い方まで、丁寧に解説しています。 |
第9回 ネット検索力がないとあなたは生涯損をする【検索力の鍛え方】【ゼロから学ぶITスキル】 | インターネット検索の基本的な知識と検索スピードと品質を高めるためのノウハウ・Tipsを紹介しています。 |
【初心者必見】エクセル計算式の入れ方[すべての基本!] | Excelの計算式の作成方法について、知識ゼロから優しく解説しています。 |
#3 タッチタイピング
タッチタイピングが早くできると、記録の作成などで便利です。
タッチタイピングとはPC画面を見なくても素早くキーボード入力ができる操作方法のことです。
早い人では口で話すよりも早く入力できるようになり、業務スピードが格段に速まります。
Excelと同じく、今はインターネット上でタッチタイピングを練習する無料サービスが多数出ているため、苦手な人はそれらを使って練習するのがよいでしょう。
おすすめのタイピング練習ソフト
寿司打 | 回転寿司のアニメーションに合わせてタイピング練習ができる無料のWebアプリです。 目安となる入力速度に合わせて「お手軽」「お勧め」「高級」の3レベルからコースを選択できます。楽しみながらタイピング練習ができるでしょう。 |
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イータイピング | タイピングスキルをスコア化してくれる無料のWebアプリです。 タイピング技能検定とも連動しており、特級から8級まで9段階の評価を得られます。将来的にタイピングスキルを履歴書などに記載したい人にもおすすめです。 |
なお、タッチタイピングでは「ホームポジション」というキーボードに指を正しく置く位置が定められています。そのためクセが付く前に勉強しておくと、今後効率的にタッチタイピングスキルを伸ばせます。
#4 Google検索
『Google検索スキル』は早いうちからマスターしておくことをおすすめします。
インターネットでは1つの情報を検索しただけで、膨大な量のサイトが表示されます。これらの情報の中から自分が必要な知識だけを素早く、的確に抜き出すには、ある程度の練習が必要なのです。
Google検索スキルは何度も何度も検索し、「どんなキーワードを打てば必要な情報に近付けるのか?」を感覚として磨いていくのが近道です。
そのため、介護職に関わらず普段からGoogle検索を積極的に行い、コツを掴んでいきましょう。
なお、最近はGoogle検索だけではなく「YouTube」などの動画サービスでも必要な情報が載っているケースがあります。そういったサービスも積極的に活用すると、より質の高い情報がスムーズに得られますよ。
3)私の実体験:介護のお仕事であった、こんなこと
ここからは、完全未経験から1年半以上介護業界に携わってきた私が、実際にパソコンを利用した経験をお伝えしていきます。
- 介護レクリエーション
- 近所や利用者のご家族へのイベント告知書
以上2点のエピソードをお伝えします。より具体的に「パソコンが必要な場面」がイメージできるかと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
➀介護レクリエーションでのパソコン利用
私が最初にパソコンを利用したのは「レクリエーション」でした。人数が15名程度のデイサービスで働いていたため、毎日レクリエーションの企画を求められていたのです。
同僚と話し合ってもマンネリ化したアイデアしか思いつかず、行き詰まったところで「介護 レクリエーション アイデア」とGoogle検索をかけました。
すると、実際に他の施設で利用者に楽しんでもらっているアイデアが見つかり、さらに印刷するだけですぐに使える「計算クイズ」「ぬり絵」などのテンプレートを発見しました。
これらを私たちの施設でも導入するようにした結果、自分たちでは思いつかなかった介護レクを利用者に楽しんでもらえるようになったのです。また例えば「今日は身体を動かすレクリエーションには参加したくない」という利用者はぬり絵をしていただくなど、臨機応変な対応ができるようになったのもメリットでした。
➁イベント告知書の作成
徐々に仕事に慣れてきたころ、施設長からより責任感のあるパソコン作業を求められました。それが近所や利用者のご家族へと配布する『イベント告知書』の作成です。
デイサービスでは季節のイベントとして「ハロウィンのコスプレ大会」「クリスマス会」、利用者の誕生日を祝うイベントなどを企画し、近所の住民やご家族を招くことも多いです。
そういったイベントに来てもらえるよう、イベントの趣旨や詳細がわかりやすく、かつ行きたくなるような楽しい雰囲気の告知書を作成するスキルが求められました。
私はよりデザインの幅が広く、学生時代からプレゼンなどで利用していたPowerPointで作成しましたが、文字の装飾や画像の挿入など、一定のパソコンスキルがないと厳しい作業だと判断しています。
外部の方に触れる資料は、自分用のものではないため責任も大きいです。かつイベント告知書になるとゆっくり作成する期間もないため、事前にパソコンスキルを習得しておいたほうがスムーズだと感じました。
まとめ)基礎的なパソコンスキルはマスターしておくのが吉!
介護職になるうえで覚えておくと便利なパソコンスキルをまとめます。
- Word
- Excel
- タッチタイピング
- Google検索
これらは必要最低限なパソコンスキルだと述べてきましたが、実際のところまだまだIT化が進んでおらず、一切パソコンを使わない介護現場も多いようです。そのため、そもそもパソコンスキルが必要なのかどうかを面接等で質問することも大切です。
ただしIT化が進んでいないということは、逆に今のうちからパソコンスキルを押さえておけば、周りの人材と大きく差を付けることができるとも考えられます。
さらにこれらのパソコンスキルは他の業界であっても必要不可欠であるケースが多いため、できるだけ紹介したスキルを事前学習しておくと良いでしょう。
今は無料で学習できるサービスが多く存在します。ぜひパソコンスキル習得の第一歩として、それらを検索することから始めてみてください。