人事の仕事がしたい!未経験で転職する際のポイント
[最終更新日]2024/09/18
人事とは、組織内の人員配置や採用活動など、文字通り「人」にまつわる大切な仕事を担います。その他にも、人事が担っている大切な仕事はたくさんあります。
それだけに、未経験からの転職となるとやや高いハードルを感じている人も少なくないようです。
未経験からの転職を目指すには、どのようなポイントを意識していくと良いのでしょうか。
目次
1)人事の仕事内容・やりがい・向いている人
人事の仕事内容
人事の仕事内容は会社によって大きく変わりますが、主に以下の仕事を求められることが多いです。
仕事内容 | 説明 |
---|---|
人事企画 | 企業の人材戦略や組織改革を計画します。社員が働きやすい環境を整え、会社全体の成長や競争力向上に貢献することが目的です。 |
採用 | 新しい社員を採用するために、求人情報の作成から面接、内定までのプロセスを担当します。企業にとって最適な人材を見つける重要な役割です。 |
教育 | 社員のスキル向上や成長を支援するため、研修や指導を行います。新入社員から中堅社員まで、各レベルに応じた教育プログラムを提供します。 |
評価・考課 | 社員の業績や能力を公正に評価し、昇給や昇進を決定します。適切な評価を行うことで、社員のモチベーション向上と組織のパフォーマンス改善を目指します。 |
労務関連 | 労働時間の管理や給与、福利厚生に関する業務を行います。労働法を遵守し、社員が安心して働ける職場環境を整えることが求められます。 |
これから人事の仕事を目指す人で、上記仕事内容について「なんとなくイメージを持っているが、まだよく分からない」という人もいるのではないでしょうか。
各項目について、ざっと確認していきましょう。
A)人事企画
会社組織の部署や人員配置は、経営戦略を実現するために考案・実行されるものです。
人事が独断で決めるというよりは、経営層の決定を受けて、それらを現場レベルに落とし込んでいくための戦略を考えるのが人事の役割と考えていいでしょう。
経営戦略を正確に理解し、客観的な人事企画を立案・実行していくことが求められます。
また、社員が力いっぱい働けるよう、適材適所の人員配置を考えるのも重要な役割です。
このように人事企画は、経営層と社員双方の理解を得ながら進めていく必要のある仕事であり、調整能力やコミュニケーション能力が求められる仕事です。
B)採用
新卒・中途採用計画に則って、必要な人材を確保できるように採用活動をするのも人事の仕事です。
近年は人手不足が深刻化している業種や職種が出てきており、人材確保を緊急の課題としている企業も少なくないため、採用の重要度は年々増していると言えます。
ハローワークや求人サイトで告知するだけでなく、エージェントサービスの協力を仰いだり、合同企業説明会などのイベントに参加・企画したりすることもあります。会社説明会やインターン企画を運営するのも人事です。
C)教育
採用した社員が十分に力を発揮できるよう、必要な業務研修を行ったり、就業規則や福利厚生制度についての説明を行ったりをします。
業務研修そのものは各部署で行うことが多く、新卒のマナー研修などは外部委託することもありますが、採用から教育まで全体のプランを考えて提案するのは人事の役割です。
近年では、入社後に適切な研修を行ってもらえるかどうか、研修制度として整備されているかどうか、といった点も、就職先を選ぶ上で重要な要素の1つとなっています。
D)評価・考課
社員が高い意欲を維持して働き続けるためには、適正な評価制度と考課プロセスが用意されていることが重要になります。
会社・社員双方が納得できるような透明性の高いシステムになっていることや、頑張って成果をあげた人が評価される公平性が求められます。
評価については「完全に納得できる仕組み」を構築するのは非常に難しく、社員から不満の声があがることもめずらしくありません。
与えられた状況の中でベストの判断ができるよう、常に改善していくこと、中立で冷静な判断が求められることが大切です。
E)労務関連
社員が健康で安全に働けるよう、労務管理が適切に行われているのかチェックします。部署によって残業時間が過大になっていないか、メンタルヘルスの観点から注意を払うことも求められます。
社会保険関係の手続きや給与計算といった仕事は、会社によって経理や総務といった別の部署が行う場合もありますが、それらも含めて人事担当者が一括して引き受けることもめずらしくありません。
労務関係の仕事は1つ1つが細かいものが多く、地味なようにも見えますが、正確性が求められる大切な仕事です。労働基準法をはじめ関連する法律の知識が求められる場面も多く、常に勉強が必要な仕事でもあります。
人事の仕事のやりがい
人事の仕事の「やりがい」には、どんなものがあるでしょうか。
ここでは、現在人事の仕事に従事している人の多くが挙げる以下の3点について、紹介していきます。
- 人材採用を通じて会社と社員に貢献できる
- 社員の成長に立ち会える
- 会社を「俯瞰した視点」で捉えられる
人材採用を通じて会社と社員に貢献できる
会社にとって、人材を採用するのはリスクも孕んだ重要な決断と言えます。
優秀な人材を確保したことで、会社の業績が上向くこともあれば、せっかく採用した人がすぐに辞めてしまうといったこともあります。
人材採用に関しては「~を実行すれば成功する」といったセオリーが存在しないため、常に自分の頭で考えて主体的に判断することが求められます。それだけに、人との出会いや縁に感謝する場面の多い仕事とも言えます。
また、新たに入社する社員にとって、就職や転職が人生の節目であることは間違いありません。会社説明会や面接でのやりとりを通じて「この会社で働きたい」と思ってもらえて、入社後も「ここに来てよかった」と言ってもらえたら、人事担当としてはこの上ない喜びです。
社員の成長に立ち会える
社員としての成長は数か月といった短いスパンではなく、5年、10年といった長いスパンで見ていく必要があります。
新入社員として入ってきた人が、さまざまな経験を積んだのち、後進を育成する立場へと成長していく姿を目の当たりにできるのは、人事ならではのやりがいです。
社会人としての長いキャリアの中で、順調にステップアップしていく人ばかりではありません。
失敗や挫折を味わいながらも、紆余曲折を経て結果的に活躍する日が来ることもあるのです。社員一人ひとりが活躍できるようにサポートしつつ、陰ながら見守っていくことに人事担当としての喜びを感じる人も多いのです。
他部署とは異なる視点でビジネスを捉えられる
たとえば営業部であれば、売上目標に対して達成できたかどうか、といった具体的な指標があるものです。
ところが、人事に関しては成功・不成功を数値評価できることばかりではないのが実情です。
それだけに、長いスパンで物事を捉えられるだけのビジョンを持ち、どのような会社にしていきたいのかといった明確なゴールを描くことが求められるのです。
人事担当者は、他部署の現場で就業している社員とは異なる視点で仕事を捉えていることもめずらしくありません。
組織全体という大枠で考えなくてはならないこともあれば、ときに冷静で客観的な判断が求められることもあります。
そうした意味では、他部署とは異なる視点でビジネスを捉えるチャンスが多く、全体を俯瞰する視点が得られる仕事と言えます。
人事に向いているのはどんな人?
- 人間観察力のある人
- 秘密を守れる人
- 情に流されず、客観的な判断ができる人
人間観察力のある人
人事の仕事は、「人」に関する情報収集が重要です。
人を観察し、その人の適性を見極めることも人事には必要な能力です。また、培った人間観察能力は、採用業務において採用・不採用の判断をするためにも役立ちます。
そのためにも、「この人はどんな人なのか」と常に人を観察する意識を持っている人が人事に向いていると言えるのです。
秘密を守れる
人事は機密事項に触れることの多い仕事です。
特に、人事以外の部署の社員と雑談をしているときにうっかり情報を漏らしてしまうことがないよう注意をしなければいけません。
例えば、こんな情報を漏らしてしまわないように注意が必要です。
- 社員の給与
- 社員の評価
- 異動予定者の指名
- 昇格・降格予定者の指名
人事は経営における重要な情報を知ることになるため、口が固くあることと、他の部署の社員と適切な距離感を保つことが必要になるのです。
情に流されず、客観的な判断ができる
人事の仕事をするとき、「会社全体にとってプラスになるか」と組織を優先した判断が必要になる場合があります。
一つの判断を下したとき、個々人の立場で見ると正解となる状況は変わります。
そのため、「完全に全員が満足する」仕事をすることは難しいのも人事の仕事の特徴です。
問題が生じたとき、全体を見て公正な判断が行えることも、人事に必要な能力なのです。
2)未経験から人事への転職に成功した人の体験談
続いては「未経験から人事への転職に成功した人」の体験談を2つ、紹介します。
これからの転職活動のヒントになる点も見つけられるでしょう。併せてご覧ください。
前職の経験が評価され人事への転職が成功!(すずさん:女性 35歳)
次の職場が決まってから、正式に退職の意志を伝えようと、転職活動に臨みました。
すると、日中働きながら面接時間を捻出することに、とても苦労しました。
また、「仕事もプライベートも両立できる場所」を探していたのですが、
当時私は30歳になったばかりで、年齢的にも「結婚」や「出産」で辞めてしまうのではないか。
そのように懸念する面接官の方も多かったです。
なかなか一筋縄ではいきませんでした。
自分一人で行動するのには限界かもしれないと思い、
私は「type女性の転職エージェント」に登録しました。
こちらは担当者も女性の方で非常に話しやすく、かつ「女性向け」の求人をたくさん紹介してくれました。
そこで紹介していただいた人事の仕事に応募し、見事内定を獲得できたのです。
内定後も入社日の設定であったり、給与の交渉で年収アップをしてくれたりと、エージェントの方には本当にお世話になりました。
次の仕事は人事で、私にとって未経験の職種でした。
しかし、前職での「人材開発業」に携わっていた私の経歴を見込んでくださり、
入社後すぐに、新入社員研修の担当に就かせていただきました。
前職での経験が無駄にならずに安心しました。
前職での経験をアピールしたことが転職成功のきっかけに
資格の取得や事前にスキルを学習することで未経験からの転職成功率を上げることが可能な職種もあります。
しかし、人事の仕事はスキルを可視化しづらいため、未経験から転職する際にアピールポイントをつくることが難しい側面があります。
すずさんも前職はコンサルティング会社営業と、人事は関係のない職種でした。しかし、その中の「人材開発業」に携わった経験が人事の仕事でも活かせると考え面接や職務経歴書でアピールしたことにより、未経験から人事への転職を成功できました。
現職が人事とは関係のない職種である場合でも、人事に関係性のある仕事をした経験を伝えることで、即戦力にもなりうる人材であることをアピールできます。
「人事と関係する仕事なんてしてこなかった…」と思った人も、関連付けられる業務を行っていなかったかもう一度経歴を洗い出してみることで新しい視点が生まれるかもしれません。
人事で入社したはずが介護職に…。人事ができる環境へ転職(スミノフさん:男性 29歳)
入ってしばらくすると、介護職の従業員が大量離職する事態に陥って、人員不足を理由に私も介護補助の業務を担うことになりました。──人事・事務の仕事と並行してです。
介護職の退職者はさらに増えていき、とうとう私の業務は介護職メインになってしまいました。
そこでさすがに気づきました。──この会社にいても、自分のやりたいことが訪れることは決してないだろうと。
そして私は、転職を決意しました。
転職活動は、仕事との両立だったのでなかなか大変でした。
そんな中、知人から転職エージェントの存在を教えてもらい、いくつかのエージェントを活用してみました。
その中で特にサービスが良かったのは「リクルートエージェント」でした。
キャリアコンサルタントの方はとても丁寧で、かつ土日も対応してくれて。
合間を縫って担当のコンサルタントの方と連絡を取りつつ、求人企業に転職の応募を出して、なんどか書類審査や面談で落とされることもありましたが、結果的に一社、内定をもらえたのです。
キャリアコンサルタントの方は、求人情報を紹介してくれたほかに、私の自己分析に付き合ってくれたり、どのような業界が向いているのかといったコンサルティングもしてくれました。
──とても助かりましたね。
経理事務講座の受講が、転職成功のきっかけに
「人事の仕事をしたかったのに、入社してみたら全く関係のない仕事をさせられた…。」
スミノフさんほどではないにしても、入社してから「やりたいこと」と「任される仕事」のギャップに戸惑うのはよくあることだと思います。
ギャップを感じ転職を後悔しないためにも、スミノフさんのように転職エージェントの利用がおすすめです。
キャリアアドバイザーは、各企業の社風や業務内容の違いに関して独自の情報を持っています。
そういった情報を聞くことで、ギャップが生じる可能性を転職前に察知できて、より満足度の高い転職が行えるようになるはずです。
この記事でも「おすすめの転職サービス」を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
3)未経験で人事に転職する際に大切なポイント
ここからは、人事への転職を目指す際の具体的な準備・行動について触れていきます。
未経験で人事に転職する際は、特に以下の点について意識しておくと良いでしょう。
「育成、評価は何のためにあるのか」の問いに答えられないと人事は務まらない
未経験で人事を志望する場合、「この応募者は人事としての資質があるだろうか?」という見方をされます。
このとき重要になってくるのが、「育成や評価は何のためにあるのか?」という問いに対して、自分なりの答えを持っているかどうかです。
まずは、評価・育成に対する「自身の考え」をしっかり持とう
これまで人事以外の職種で働いてきた人は、管理職経験がある場合を除けば、専ら会社から「評価してもらう」立場だったはずです。
人事へ転職した場合、社内の人事評価の仕組みを整備し、的確に実施されているのかチェックする立場へと変わります。
人材育成や人事評価が何のためにあるのか、という問いに対する答えは1つではありません。
例えば、育成と評価は「人・組織」の観点、それから「成果・成長」の観点があります。
「組織の成果」を重要視する企業もあれば、「人としての成長」をより大切にする企業もあります。一つの企業内で、ポジションや役割によって重要視するウェイトが変わる企業もあるでしょう。
育成や評価によって人や組織をどのように動かし、長いスパンでどのような成果をあげていきたいのか、といった企業の考え(経営哲学)をキャッチアップしつつ、あなた自身も探求を深めていくことが求められるのです。
迎合的な仕事の仕方はNG。ときに「憎まれ役」になることも覚悟して
ここまで見てきたように、人事は会社の経営哲学にまで踏み込んで理解し、長いスパンで会社や社員の成長を考えていかなくてはなりません。
そのため、目の前の社員の不平不満を100%聞き入れられないばかりか、場合によっては相反する方針を示さなくてはならないこともあるかもしれません。
また、人事が示す方針や決定は社員のキャリアを大きく左右することが少なくありません。
昇進や昇給といった重要な決定に関わることもあるため、人事担当であるというだけで社内で敬遠されたり、時には嫌われ役になったりといったこともあるかもしれません。
しかし、人事の仕事が企業にとって重要であるのは間違いないことです。
会社の成長や人材としての成長を望むという理想そのものは人事部も他部署の社員と同じです。
無用な誤解や誤った情報が流れることがないよう、社員に対してていねいな説明をする姿勢を示したり、制度の背景や意図を理解してもらえるよう努力する姿勢を見せていくことが大切です。
そうすることによって、「社員から価値を感じてもらえる」人事部を目指していけるでしょう。
未経験から人事に転職するために準備しておくべきこととは?
人事の仕事内容について、一通り勉強しておくこと
これまで人事に関わる仕事をしてこなかったという人は、転職活動と併せて以下の点を学んでおくことをおすすめします。
項目 | 具体的な必要知識 |
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評価制度に関する知識 |
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人材育成に関する知識 |
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労働保険、雇用保険、社会保険、労働基準法などの法律や制度に関する知識 |
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メンタルヘルスに関する知識 |
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評価・育成に関する知識が大切なことは先にも述べましたが、その他「労働保険、雇用保険、社会保険、労働基準法など、法律や制度に関する知識」や「メンタルヘルスに関する知識」も大切です。
特に中小企業の人事においては、労務関連の業務を任されることも多く、その際には社会保険や雇用保険の手続きといった業務も行います。それら法律や制度に対する知識が全くない状態ですと、苦労も大きいでしょう。
また、近年では業務の忙しさや人間関係のトラブルなどで社員がメンタルに不調をきたすケースも良く聞くようになりました。
そういったケースにおいて、当事者やその上司から相談を受けることも人事の役割のひとつです。改善に繋がる適切な回答や提案をできるように、メンタルヘルスに関する知識も持っておいた方が安心です。
なお、これら知識についてひとつずつ勉強するのは大変ですし、「イメージが付かない」という人もいるでしょう。その際は、上記内容もある程度網羅されている「人事の仕事を紹介する書籍」を読んでおくと良いでしょう。
これから人事の仕事を目指す人への、おすすめの書籍
未経験から転職の場合、資格は取得したほうが良い?
人事の仕事は資格があればすぐに仕事ができるというものではないため、必須ではありません。
しかし、人事の仕事に役立つ資格はいくつかあり、取得できれば転職活動でアピールできるだけでなく、人事として内定した後にも効果を発揮するでしょう。
以下のような資格は人事職と相性が良いと言えます。
資格名 | 内容 |
---|---|
メンタルヘルス・マネジメント検定 | 職場でのストレス管理やメンタルヘルス対策に関する知識を学ぶ研修。具体的には、ストレスチェックの実施方法やメンタル不調者への対応、職場環境改善の手法などを学ぶ。学習時間は平均10~15時間程度 |
人事総務検定 | 人事総務部の知識及び実務能力に関する検定試験。内容が人事総務の業務に特化しているので、効率的に知識を身につけられる。 学習時間目安:約100~150時間。 |
ビジネス能力検定 | 社会人に必要な仕事の能力を評価する試験。ビジネス知識や社会人のマナーの基礎から、人材育成の課題である問題発見力・提案力・発信力までを幅広く学べる。 学習時間目安:約50~100時間。 |
人事の求人は「欠員補充」であることが多い。転職の際は求人数の多い転職サービスを利用して
人事は基本的に「欠員補充」のための採用というケースがほとんであることを意識しておきましょう。
新卒で入社後、ジョブローテーションなどで適性を判断され、結果的に人事部へ異動になったといった経緯で人事の仕事に携わることが多いのが実情です。
何かの事情でもともといた人事担当者が辞めることになり、急遽代替の人員を募集することになった、といった求人が多いと認識しておきましょう。
また、大企業であれば人事担当者が大勢いることもありますが、多くの企業で人事は少人数あるいは1~2名の人員で回していると思っていいでしょう。
人事担当者だけを一度に何十名も大量に採用することは、まずあり得ないというわけです。
その際に意識したいことは、「求人情報の多い転職エージェントを利用する」ということです。かつ、サービスごとに「独占求人」として人事の募集がされていることもありますので、なるべく複数の転職エージェントに登録しておくと良いでしょう。
転職エージェントでは、担当となるキャリアアドバイザーが、あなたの志向や希望、適性に沿った形で求人情報の提案をしてくれたり、その他書類作成や面接準備のサポート・アドバイスもしてくれます。
次の章では、人事の転職を目指す人向けの、転職エージェントの活用法と具体的なサービスの選び方について紹介します。
4)未経験で人事の転職をする際の、おすすめの転職エージェント
未経験で人事への転職を目指す際は、転職支援のプロである「転職エージェント」からのサポートとアドバイスを受けるべきでしょう。
世の中にはたくさんの転職エージェントがあり、各社がそれぞれの強みや得意分野を持っています。その際に、「人事職の求人情報を多く扱っている」「アドバイザーのサポート品質が高い」転職エージェントであるかを、活用の際の選択基準にするとよいでしょう。
未経験から人事に転職したいと考えている人向けに、おすすめできる転職エージェント5社をまとめました。
できれば2社以上に登録しておくと、異なる意見が聞けたりアドバイスを比較できたりするメリットを得られます。
人事職のへ転職に役立つおすすめ転職エージェント
ワークポート |
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転職エージェント | 特徴 |
マイナビエージェント |
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doda |
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リクルートエージェント |
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ワークポート
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「対面でのきめ細やかなサポート」と「転職決定率の高さ」が強み。未経験可の求人も多く、「人事の仕事にチャレンジしたい!」という人におすすめです。
ワークポートは、国内に52の拠点を持つ運営20年の大手転職エージェントです。
ほぼ全ての業種・職種の求人に対応した大手エージェントのなかでもとりわけ拠点数が多く、対面でのきめ細やかなサポートができるのがワークポートの強みです。
同サービスの活用メリットとしては、「転職決定率の高さ」が挙げられるでしょう。
サービスを利用した人たちの評判・口コミからは「求人紹介から企業との交渉まで積極的に動いてくれた」「企業とのミスマッチを最小限に抑えようと働きかけてくれた」といった感想が目立ちます。
人事の仕事選びでは、職場環境の入念な確認が欠かせません。
ワークポートの対面サポートでは、担当エージェントが実際にヒアリングした企業の生の情報を提供してくれます。
ワークポートの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 全都道府県 |
人事の公開求人数 | 約2,200件(2024年9月現在) |
とくに多い職種 | ソフト開発・システムエンジニア系|クリエイティブ系|通信・インフラエンジニア系|ヘルプデスク・ユーザーサポート|研究・製品開発/品質・評価系|コンサルタント・プリセールス系|ゲーム制作関連|ものづくり系エンジニア|金融・保険・証券系|建設・土木・プラント・設備|不動産専門職|営業系|事務・管理系(総務・経理・財務・人事等)|経営企画・事業開発|マーケティング・プロモーション系など |
ワークポートの積極的な提案を最大限活用するには、初回面談時に希望する職種・働き方をしっかり伝えることです。事前にキャリアの棚卸しをしておくとスムーズでしょう。
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まとめ)人事への転職は「人事の仕事に対する本質的な理解」が重要
人事へ転職したい人の中には、もしかしたら「社員採用に興味がある」といったことを理由に挙げている人がいるかもしれません。
もちろん採用業務は人事の大切な仕事の1つですが、人材を評価し育成していくという人事の本質的な部分の役割から見ると、採用はそのうちの1つに過ぎないのも事実です。
人事の仕事は、他の職種から見て分かりにくい部分が多いかもしれません。
それだけに、人事の仕事とは何か、何のために存在するのか、といった本質的な理解を深めておくことが、未経験者が志望する際には特に重要になってくるのです。