「ロジカルシンキングが苦手・嫌い…」「鍛えたい!」という人に知ってほしいたった4つのこと
[最終更新日]2024/07/21
「ロジカルシンキングって苦手…。」「嫌いだけど、何とか克服しないと…!!」──と、考えている方は少なくないでしょう。
私はこれまで社会人の方向けにロジカルシンキング研修を幾度となく行ってきましたが、おおよそ6割以上の人が「ロジカルシンキングが苦手(または嫌い)」と答えていました。
人は苦手意識を持つと、一層その事柄を避けようとしてしまうものです。
一方で、「なんか少しわかってきたかも!」というきっかけがあると、「やってみよう」「試してみよう」という気持ちが起きやすくなり、そうしているうちに苦手意識はなくなっていきます。
この記事では、ロジカルシンキングの意味と、日常で実践できる方法を紹介しています。
ロジカルシンキングの「少しわかってきた」というきっかけを、きっとこの記事で見つけられるでしょう。ぜひご覧ください。
目次
「ロジカルシンキングが苦手だ」という方に
「ロジカルシンキングが苦手・嫌い」と思いながらもこの記事を読んでいる方は、「そうはいっても、苦手なままではいられない」「ある程度はロジカルシンキングができるようになりたい、鍛えたい」といった課題感をお持ちだろうと思います。
なぜ多くの人がロジカルシンキングに苦手意識を持つのかというと、「日常生活では、ロジカルシンキングは必要ないから」「自分は普段ロジカルシンキング的な思考をしていないから」という認識があるからでしょう。
ですが、ロジカルシンキングは日常のシーンでこそ、よく使われるものだと、私は思います。
だれもがその日をより幸せに豊かに過ごしたいと思うでしょうし、出会った人とは仲良く楽しく過ごしたいと思うはずです。そうしたときも、(多くの場合は無意識的に)ロジカルシンキングを発揮しているはずです。
この後にも詳しく触れますが、ロジカルシンキングは「より良い選択と行動」をしていくための思考法です。
よくロジカルシンキングの対義語として「感覚的思考」が挙げられることがありますが、両者は相反するものではなく互いに影響し合いながら活性していけるものです。
例えば、あなたがふと「窓際の棚に花を添えたい」と思ったとします。
その想いはあなたの感覚的思考から来るものですが、それから「どんな花がいいだろう」、「育て方はどうするといいだろう?私の今の生活サイクルで、育てられる花は?」ということを考える際は、まさにロジカルシンキングが展開されます。
言い換えれば、「ロジカルシンキングは、自分自身の『こうしたい・こうありたい』という想いを実現するための思考」であり、そう捉えるとここから先のロジカルシンキングの説明についても親近感を持って読んでいけるのではないでしょうか。
記事を読み終えたときに、あなたの「ロジカルシンキングを使ってみよう」というポジティブな気持ちが強まっていることを、願っています。
1)ロジカルシンキング(論理的思考)とは
ロジカルシンキングは、「誰が見ても適切で納得性がある、結論や理由を考察する」ことです(「論理的思考」と表現されることもあります)。
「言葉の意味を知っても、具体的なイメージがわかない」という人も多いかもしれませんので、ここからはイメージを使って説明していこうと思います。
上の図は、「午後から雨が降りそうな日」における、とある男性の思考の推移を表したものです。そして、この思考にもロジカルシンキングが働いています。
どういうことか、詳しく説明していきましょう。
まず、1の「今日は雲がどんよりしている」とは、「現状」(または「状況」)を説明していますよね。続いて2では、1の「理由・背景」について説明をしています。最後の3は、1と2から導き出される「対策・行動」の説明になります。
1の現状と2の背景・理由、3の対策・行動はそれぞれ、「1:WHAT(何が)、2:WHY(なぜ)、3:HOW(どのように)」と言い換えることができます(=頭文字をとって「2W1H」といいます)。
私たちの日々の思考や行動は、こうした1~3の思考の流れを遷移していることが少なくありません。
そして、この遷移を適切かつ納得性がある形に近づけていくことが、ロジカルシンキングなのです。
「ロジカルシンキングが上手くできない…」原因は、大きく2つ!
ロジカルシンキングを利用する機会は、ビジネスシーン・日常シーンに関わらず多く見られます。
例えば以下のある営業マンの思考の推移は、まさにロジカルシンキングが発揮されているシーンと言えるでしょう。
さて、上記のようなシチュエーションで、逆に「ロジカルシンキングが上手くできない」ケースとしてはどのようなものがあるでしょうか。細かいケースを挙げればたくさん出てきますが、ここでは主なケースを2つ、紹介します。
ロジカルシンキングが上手くできないときの、代表的な2つのケース
- 「現状」から「理由・背景」を経由せずに、「対策・行動」を考えてしまっている
- 「理由・背景」を感覚的(主観的)に考え、解釈してしまっている
「現状」から「理由・背景」を経由せずに、「対策・行動」を考えてしまっている
ロジカルシンキングが上手くできない主な要因の一つに、「現状」から「理由・背景」を経由せずに「対策・行動」を考えてしまっているケースがあります。
先ほどの営業マンの例でいうと、以下のように、「売り上げが低い」現状から短絡的に「その分働く量を倍にすればいい」と考えてしまうパターンがこのケースに当てはまります。
「理由・背景」を感覚的(主観的)に考え、解釈してしまっている
現状に対する理由・背景の考察が感覚的・主観的になっているために、適切な対策・行動に紐づかない(ロジカルシンキングが上手く働かない)ケースもあります。
例えば、以下のようなケースです。
上のケースでは、売り上げが下がった原因について、「最近不景気だから」「時期要因があるかもしれない」と、若干けむに巻くような理由付けで片づけてしまっています。もしかしたら、「売り上げが下がった原因を、自分たちの責任や落ち度にしたくない」という無意識が働いてしまっているのかもしれませんね。
そしてこの流れで進めたときに、状況がさらに悪化することは想像に難くありません。
◇ ◇ ◇
ロジカルシンキングが上手くできない主なケースを2点紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。ご自身または身近な人の行動で、「当てはまる」と思い当たった人もいるかもしれませんね。
では、これらケースに陥らないようにするためにどうすればいいか──。
一点目の「理由・背景を経由せずに、対策・行動をしてしまっている」ケースの回避策は比較的シンプルです。そうならないようにするには、きちんと理由・背景を考えていけば良いのですから。
では、二点目の「理由・背景の考察が、感覚的・主観的になってしまっている」ケースはどうでしょう。
「感覚的・主観的かどうか」はなかなか自分では判断しにくいですし、論理的・客観的に思考したつもりでも、周囲からは感覚的・主観的だと思われてしまうこともあるかもしれません。
ここで一言補足しておくと、「感覚的・主観的思考が良くない」ということではありません。ときにそれが正しかったり、大切なときもあります。
ですが、その考えが「本当に適切か」について慎重に吟味する際に、周囲の人があなたの考えに納得し共感して行動を共にしてもらうためにも、論理的・客観的な観点を持つことは不可欠でしょう。
そして、そうした「感覚的・主観的」思考を「論理的・客観的」思考に発展させていく行為は、ロジカルシンキングそのものでもあり、誰でも取り組めるものなのです。
次の章では、ロジカルシンキングを発揮していく為の、具体的な4つの手法を紹介していきます。
2)ロジカルシンキングで「誰もが納得いくアイデア」を!具体的な手法4つ
前章では、今目の前にある状況から適切な「理由・原因」を見出し、有意義な「対策・行動」に繋げていく為には、ロジカルシンキングの論理的・客観的思考が必要になることを説明しました。
ここからは、ロジカルシンキングを実際に行う際の具体的な4つの手法を紹介します。
どの手法も、多くの人たちが普段から扱っているものです。もしかしたら「無意識にやっていた」という人もいるかもしれません。
それぞれの手法への理解を深め、日々の生活でより有効に活用できるよう、確認してみてください。
周囲の意見・声に耳を傾ける「帰納法(きのうほう)」
ロジカルシンキングの手法で、比較的簡単に実践できるのが「帰納法(きのうほう)」でしょう。
帰納法とは、「気になる状況に対する『サンプルケース』を多く集め、そこで見られた傾向から結論を推察する思考法」です。
先ほどの営業マンの「商品の売り上げが落ちた」という例でいうと、「商品を利用した人達のアンケートコメントの内容から、売り上げ減少の要因を探る」行為などが帰納法に当たります。
帰納法による思考例──アンケート結果から、原因・要因を推察する
上記のような「アンケートなどの調査データの結果から、傾向や要因を調べる」行為だけでなく、そのほか「関係者の投票や多数決によって適切な選択・選出をする」、「インターネット上の評判・口コミを確認して、対象の評価をする」行為も帰納法にあたります。
帰納法が活用されるシーンは、日常においても少なくありません。
例えばレストランに入ったとき、すでにテーブルについて食事を取っている他のお客さんの殆どがランチセットのCだったら、「このレストランはランチセットのCが評判良いのかもしれない」と考えたりはしませんでしょうか。この場合、私たちは無意識的に帰納法を発揮したことになります。
帰納法の活用メリットとデメリット(注意点)
実践のしやすさと結果の分かりやすさが特徴の帰納法ですが、「帰納法はどんな事象にも万能に対応できる」かというと、そうではありません。
帰納法を適切に活用するためにも、以下メリット・デメリットについても把握しておくと良いでしょう。
帰納法のメリット |
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帰納法のデメリット(注意点) |
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現在お子さんのいる方々で、「クラスのみんながiPhone持っているから、自分にも買って」とお子さんからせがまれた経験のある方もいるのではないでしょうか。
お子さんは(おそらく意識せずに)帰納法を活用して親を説得したことになるのでしょうが、その主張の適切さを測るためには、「クラスのみんな」というのがどれだけのサンプル数なのか、そしてそのサンプルの抽出条件についても確認しておく必要がありそうです。
前述の営業マンの商品アンケートによる考察においても、抽出したアンケート数がそもそも少なかったり年代や性別に偏りがあった場合は、導き出される結論は現状を見誤ったものになってしまうでしょう。
ロジカルシンキングの思考法の一つとして帰納法を知っておくことはとても有効ですが、帰納法だけに頼って結果を過信してしまわないように、他の思考法に対しても理解を進めておくことが大切です。
関連する情報と照らし合わせて推理する「演繹法(えんえきほう)」
ロジカルシンキングの手法として2つ目に紹介するのは「演繹法(えんえきほう)」です。
演繹法とは、「気になる状況に対し、根拠とする事実と照らし合わせて、結論を推理していく思考法」です。
ポイントは、新たに「根拠となる事実」を用意すること、そしてそれを状況に「関連付けていく」ことです。
先ほどの営業マンの例を持って、説明してみましょう。
演繹法による思考例①──根拠となる事実(一般論・観察事項)から、原因・要因を推察する
上記例では、「商品の売り上げが下がった」ことに対して、「通常、商品の売れ行きは『営業マンのパフォーマンス』と『ライバル商品の存在』に影響を受けやすい」などの根拠を用いて、「売り上げ減少の原因は、ライバル商品の影響だろう」と結論を立てています。
ここで、「根拠となる事実」に2つの種類が混ざっているところに注目してみましょう。
「通常、商品の売れ行きは『営業マンのパフォーマンス』と『ライバル商品の存在』に影響を受けやすい」という情報は、この営業マンまたは会社が持っている「常識(一般論)」です。それに対して、「最近の営業マンのパフォーマンスは問題ない」、「先月ライバル商品が発売された」は「客観的な事実(観察事項)」になります。
演繹法は、このように「常識(一般論)」と「客観的な事実(観察事項)」といった異なる事実を掛け合わせて結論を推察します。
演繹法もまた、日常シーンでもよく使われることがあります。
ビジネスシーンでの説明に少しとっつきにくさを感じた方は、以下のような例でも考えてみてください。
演繹法による思考例②──次に観る映画を何にするか、演繹法を使って考える
上記Aさんの例では、「映画評論家のBさんは、いつも私にとって良い映画を紹介してくれる」のがAさんの「常識(一般論)」です。そして、「Bさんが新たに映画を紹介した」というのが「客観的な事実(観察事項)」です。
そのふたつの情報をもとにAさんは演繹法を活用して、次に観る映画を決定した──ということですね。
「演繹」という見慣れない漢字に私たちは身構えてしまいがちですが、演繹法も帰納法同様に、普段私たちが何気なく使用している思考プロセスのひとつを、区分して説明しているのに過ぎないのです。
演繹法は特に、「自分が経験を多く積んでいる分野(よく知っている事柄)」においてその効果を発揮します。
なぜなら、自分が詳しい分野では、多くの「常識(一般論)」を予め熟知しているからです。
知識が豊富なほど事実との関連付け機会も見出しやすくなり、演繹法も実践しやすくなるのです。
演繹法の活用メリットとデメリット(注意点)
演繹法のメリット |
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演繹法のデメリット(注意点) |
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演繹法のデメリット(注意点)で特に意識したいのは、「用いる『常識(一般論)』の正確性」です。
例えば前述の営業マンの事例で、営業マンが「どんな商品も、数か月経つと売り上げは下降するものだから」ということを「常識(一般論)」として掲げてきたらどうなっていたでしょう。
たしかに、商品には市場で取引される期間(寿命)があり、どんな商品もいずれは売れなくなるものです。
ですが、商品が売れなくなる理由をすべてそれに帰してしまったら、次から次に新商品を作らなくてはいけなくなってしまいますし、「前回の反省点を活かして、改善して行こう」という働きかけも弱まってしまいます。
このように、演繹法を実践する際は候補として挙がる「常識(一般論)」の妥当性を見極めたり、複数挙がったときにどれが一番適切かを考え選ぶことも求められるのです。
自分の頭の中にある常識・一般論は容易に取り出して参照することができますが、すぐに入手できる情報ほどその正確性は危ういものです。その点に重々留意したうえで、演繹法を使うことが大切です。
評価軸を作って検討・判断する「マトリックス」
ロジカルシンキングの手法で3つ目にお伝えするのは、「マトリックス」です。
マトリックスとは、気になる状況に対して「評価軸」を設け、比較対象を用いながらどの点に課題や検討ポイントがあるかを確認していく手法です。先述の営業マンのケースで、マトリックスを使った例を観てみましょう。
マトリックスによる思考例①──自社商品の課題を、ライバル商品と比較して確認する
上記の例では、自社商品とライバル社A・B社の商品とで、「品質・価格・サポート体制」を評価軸にして比較検討し、自社商品がA社商品にやや劣っているという結論を導き出しています。
ここで少しイメージしてみてほしいのですが、仮に上記の事柄をマトリックスの表を使わずに口答(または文章)で説明してほしいと言われたら、どうでしょうか。──自分の頭の中ではわかっていても、相手にわかりやすく納得いくように説明するのは、やや大変かもしれません。
一方で、上記のように比較表にすると、状況が一目で確認できて、結論も可視化・共有しやすくなりますよね。マトリックスの思考法には、このような「結論をまとめやすく、併せて可視化・共有がしやすくなる」という特徴(メリット)があります。
マトリックスによる思考例②──引っ越し先の物件を、マトリックスを使って考える
マトリックスも、日常シーンで活用できる機会は多いです。
例えば、引っ越し先の物件候補が3つあったとき、どの物件にすべきかをマトリックスを使って考えるとします。
上記の例では、A~C3つの物件を立地から設備までの6つの評価軸をそれぞれ10点満点で採点しています。そして物件Aの点数が一番高かったため、「物件はAが一番おすすめだろう」と判断したということですね。
一つ目に紹介したマトリックスと比べた際に、評価軸がガラッと変わっていることが確認できると思います。
このようにマトリックスでは、調査する対象に合わせて評価軸を設定し、比較の精度を高めていきます。
マトリックスの活用メリットとデメリット(注意点)
マトリックスのメリット・デメリットは以下の通りです。
マトリックスのメリット |
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マトリックスのデメリット(注意点) |
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マトリックスを使用する際に最も注意したいのが、「何を評価軸にするか」でしょう。
先に紹介した物件選びのマトリックスでは、「物件価格」が評価軸に入っていなかったことに気付きましたでしょうか。もし物件選びの際に価格を重要視していた場合、先ほどのマトリックスでは適切な結論を出すことはできなくなります。
気になる状況に対してマトリックスを使って検討・判断を進める際は、まず「どういった評価軸で、かつ何を比較対象として検討すべきか」をじっくり考えてから、表の作成及び各項目の評価をしていくことが大切です。
また、マトリックスで各項目を評価していく際は、前述の「帰納法」や「演繹法」を使っての評価になることが多いでしょう。
ロジカルシンキングは、複数の手法を組み合わせてより精度の高い結論を導き出せることが多くあります。
ここまでの復習もかねて、ご自身でも「帰納法・演繹法を活用しながらのマトリックス」を作ってみてください。
その背後にある『構造』を見出す「ロジックツリー」
ロジカルシンキングの手法として最後にお伝えするのが、「ロジックツリー」。気になる状況がどのような構造になっているかを明るみにして、どの部分に課題や対策があるかについて見出していく思考法です。
「構造」という言葉にイメージをつけにくいと思いますので、今回も営業マンの例をもとに説明していきます。
例えば、営業マンの扱う商品を購入するユーザー(顧客)が、「新規ユーザー/リピートユーザー」および「若年層/ミドル層/シニア層」に分けられるとき、以下のような構造に表すことができるでしょう。
ロジックツリーによる思考例①──売り上げの構成要素を、ロジックツリーを使って表す
このように、一つの事象をツリー状に要素を分解して構造化した図がロジックツリーです。
こうして構造化にすると、「なるほど、全体像はこうなっていたのか」という印象を持ちませんでしょうか。ロジックツリーは、気になる状況の「全体像」を確認する際に、とても有効なのです。
更に、このロジックツリーにそれぞれの要素における売り上げ変化を追記してみましょう。
上のロジックツリーでは、商品の売り上げが下がった要因として、大きく「リピートユーザーの売り上げ」、更にそのうち「若年層・ミドル層の売り上げ」が下がっているのが確認できます。
今回のロジックツリーからは、以下のような推察ができるでしょう。
- 新規ユーザーの売り上げは問題なさそう(ネガティブ要因はなさそう)だ
- 今月に入って若年層・ミドル層のリピートユーザーの売り上げが一気に下がったのは、他社新商品への乗り換えが発生しているのかもしれない
- そもそも、商品利用後のユーザー満足度に課題があるのかもしれない
ロジックツリーによる思考例②──ダイエット活動の改善点を、ロジックツリーを使って調べる
ロジックツリーは「一つの問題の原因を深堀りしていく」際にも活用できます。
以下の図は、ダイエットが上手くいかない女性の、その原因をロジックツリーで表していったものです。
この女性の方の場合、「食事の回数を減らそう」、「休日にしっかり運動しよう」という意識は持っていたものの、「一度の食事で食べる量が多い」、「平日に運動する時間が少ない」といった問題があったことが確認できます。
ダイエットに限らず、「努力しているのに、なかなかうまくいかない…」というときは、このように全体像で表した時に「うまくやれている部分」と「ネックになっている(意識として抜けている)部分」が混在しているものです。
それらを明るみにしていくうえでも、ロジックツリーの手法は有効でしょう。
ロジックツリーの活用メリットとデメリット(注意点)
ロジックツリーのメリット・デメリットは以下の通りです。
ロジックツリーのメリット |
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ロジックツリーのデメリット(注意点) |
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ロジックツリーのデメリットとしてよく挙げられるのが、「ツリー構造を作る難しさ」です。
過去に作ったことのある方は重々ご承知のところでしょうが、ロジックツリーは「すぐにさくっと作れる」ようなものではなく、何度も考案して苦心して作り直したりしながら出来上がっていくものです。
「ロジカルシンキングができる人」のイメージとして、なんとなく「難しいことや複雑なことをパッと解決する」というイメージもあってか、ロジックツリーが「パッと」できないことで「自分には向いていない」とあきらめてしまう人は少なくありません。
ですが、ロジックツリーは相応に時間をかけて作っていくことによってその精度を高められるものだと、私は思います。そして可能な場合は関係者と共有しあい、よりよい構造を模索していくことによって、更に高度な考察になるでしょう。
ロジックツリーは、ここまで紹介した他の3つの手法よりも「複雑な事象」に対応しやすい思考法です。
何度か作っていくうちにだんだん感覚も身に付いてくると思いますので、「時間をかけてでも最適解を見出したい課題」に出会った際は、ぜひロジックツリーでのアプローチを試してみることをおすすめします。
まとめ)日常生活で、ロジカルシンキングと慣れ親しんでいくために
ここまで、ロジカルシンキングの概要と、具体的な手法として「帰納法・演繹法・マトリックス・ロジックツリー」について紹介しました。
読んでみて、いくつか「実際に使ってみよう」というものが出てきたようでしたら、それはとても喜ばしいことだと思います。
この記事では、ロジカルシンキングの詳細については触れていません。
もしもっと本格的に学びたいという方は、ロジカルシンキングの書籍を購入して読まれることをおすすめします。(最後にロジカルシンキングのおすすめの書籍を紹介しておきます。)
ですが、ロジカルシンキングを資格取得や試験勉強のような感覚で捉えない方が良いだろうと、私は思います。
なぜなら、ロジカルシンキングは日常シーンでも多く扱われるもので、私たちにとって身近な存在だからです。
仕事に限らず、人生には多くの「選択」と「決断」が訪れます。
そこで私たちが適切な選択をしていく際に、ロジカルシンキングはとても役立つツールです。
細かいことを一つ一つ覚えるよりも、まずは実際に使ってみて慣れていくことを目指してみてください。