3人に1人が「自信がない」と回答―─300人の「自信」に対する意識調査レポート
[最終更新日]2025/10/17

近年、働き方や価値観の多様化が進み、SNSを通じて他者と自分を比較する機会も増えました。
キャリア、収入、人間関係――。そんな変化の中で、「自分に自信がある」と言い切れる人は、どれほどいるのでしょうか。
みんなの転職「体験談。」では、全国の20代〜60代の男女300名を対象に、「自信」に関する意識調査を実施しました。
努力や成功体験を重ねてもなお揺らぐ“自信”という感情。その実態を探ります。
アンケート概要
※ みんなの転職「体験談」。サイト内アンケート
テーマ「自信についての意識調査アンケート」
集計期間:2025年9月25日~2025年10月12日
集計方法:インターネット調査
回答者:全国の20代〜60代の男女300名
(性別:女性168名/男性131名/非回答1名)
回答者の年代別・働き方別内訳
年代の回答割合内訳
働き方別内訳
目次
「自信がある」と答えた人はわずか26%──揺れる現代人の心

Q1)同世代の人と比べて、自分は「自信があるほう」だと思いますか?
「とても自信がある」「ある程度自信がある」と答えた人は合わせて26%にとどまりました。
一方で「あまり自信がない」(28%)、「まったく自信がない」(14%)を合わせると約4割にのぼり、「平均的」とした人(32%)を含めると、多くの人が自信を強く実感できていないことがわかります。
「自信がある」と答えた人のコメント(一部抜粋)
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学生時代は失敗を恐れて行動をためらうことが多かったですが社会人になると小さな挑戦を積み重ねる機会が増えました。その中で少しずつ成果を実感できる場面があり自分の力を信じる感覚が育まれました。
それに周囲の評価や支えがあったことで困難な状況でも乗り越えられる自信がつきました。そのため学生時代よりも今のほうが落ち着いて自分を信じられるようになっています。
(男性 40代 大阪府 正社員・正職員)
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一度出産でキャリアが中断しかけましたが、同じ会社で正社員として働き続けてきました。今では部署の誰よりも業務に精通し、後輩や上司からも頼りにされる存在になれたことが、自信に繋がっています。
(女性 50代 愛知県 正社員・正職員)
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学生時代は周りと自分を比べて落ち込むことが多かったです。
しかし、社会人になり経験を積むうちに自分のペースや価値観を大切にできるようになり、比べる感覚が減ったことで少し自信が高まりました。
(女性 20代 静岡県 フリーランス・自営業・業務委託)
「自信がない」と答えた人のコメント(一部抜粋)
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私が自信がない方だと答えた理由は、子どもの頃から「成功体験」というものに乏しく他者から肯定・賞賛される機会に恵まれなかった為です。
例えば親から買い物を頼まれても本来購入するべき筈だった物とは全然別な物を購入してしまう、高校・大学進学時は学力が足りず目標だった学校に進学できない。そして先に上げた通りせっかく就職できた会社も一年と持たずに辞めてしまう…。
こういった失敗が積み重なった結果、私は今でも自分に強い自信を持てないままでいます。
(男性 30代 福井県 パート・アルバイト)
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仕事の能力も容姿も経済状況も人並み以下だと思うからです。また、同世代は結婚して家庭を築き、充実した生活を送っているようですが自分はそうではないからです。
(女性 30代 神奈川県 正社員・正職員)
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理由は、幼少期から母親に否定されつつづけ、根本的な自己肯定感が育たなかったこと、何をするにも不器用で、臆病で傷つくことも多くいまだにその体験がフラッシュバックしてしまうためです。
母親の価値観を刷り込まれてしまっている面があり、過度な一般化をして人や自分を評価してしまいます。現在、世帯年収も個人年収も高くないですし、不妊で子供も一人っ子ですし、人と比べてすぐに自己肯定感が揺らいでしまいます。
また、集中力や忍耐力がないので仕事などでもなかなか成果が上げられないです。
(女性 30代 京都府 契約社員・派遣社員・非常勤職員)
【男女別】同世代の人と比べて、自分は「自信があるほう」だと思いますか?
男性では「とても自信がある」「ある程度自信がある」と答えた人が合わせて32%だったのに対し、女性は21%にとどまりました。
一方で「あまり自信がない」「全く自信がない」と答えた割合は、男性35%、女性48%と女性のほうが明確に高い結果となっています。
全体として、女性は男性よりも自信を持ちにくい傾向が見られ、性別による意識差が表れています。
【年代別】同世代の人と比べて、自分は「自信があるほう」だと思いますか?
「とても自信がある」「ある程度自信がある」と答えた人の割合は、20代で34%と最も高く、30代では24%、40代・50代ではともに23%とやや低下しました。
一方、60代以上では35%が「自信がある」と答えており、若年層と並んで高い傾向が見られます。
「あまり自信がない」「全く自信がない」と答えた割合は30〜40代で高く、社会的責任やキャリア上の課題が増える時期に自信が揺らぎやすいことが示唆されます。
全体として、年齢とともに自信の度合いは変化し、若年層と高年層で比較的高く、中堅層でやや低下する傾向が見られました。
【年収別】同世代の人と比べて、自分は「自信があるほう」だと思いますか?
年収が高い層ほど「自信がある」と答える割合が高くなる傾向が見られました。
年収1,000万円以上では全員が「平均的」「自信がある」と回答しています。反対に、年収200万円未満の層では「全く自信がない」「あまり自信がない」が過半数を占め、自信の低さが際立ちました。
中間層(400万〜799万円)では「平均的」と回答する人が最も多く、経済的安定は一定の自信を支える要素になっている一方で、所得格差が自己評価にも影響している様子がうかがえます。
この章のまとめ
- 「自信がある」と答えた人は26%にとどまり、多くの人が自信を強く実感できていない
- 女性の自信度は男性より低く、「自信がない」と回答した割合が男性より13ポイント高い
- 年代別では20代と60代で比較的自信が高く、30〜40代の中堅層で自信の低下が目立つ
- 年収が高い層ほど自信が高く、特に1,000万円以上の層では「自信がある・平均的」が100%を占めた
全体として、自信の有無は性別や年代、経済状況によって大きく異なることが明らかになりました。
社会的責任が増す30〜40代や経済的に不安を抱える層では自信が低下しやすく、一方で経験を重ねた60代や安定した収入を得ている層では自信が高い傾向が見られます。
努力や実績だけでなく、生活の安定や社会的立場が自信に影響する構造が示されました。
“自信”の定義は人それぞれ。努力・経験・心の余裕が影響

Q2)あなたにとって「自信」とは何ですか?(複数選択3つまで)
最も多かったのは「過去の成功体験や努力の積み重ね」(59%)で、「自分の能力や可能性を信じること」(58%)が僅差で続きました。いずれも、自信を“自らの行動や成果に裏づけられた感覚”として捉える傾向がうかがえます。
続いて「心に余裕があり、自分らしくいられること」(44%)や「ありのままの自分を受け入れること」(34%)が挙がり、内面的な安定を重視する人も多い結果となりました。
一方で「他者からの評価や信頼」(20%)や「根拠のない安心感」(23%)は少数にとどまり、多くの人が“他人に与えられる自信”よりも“自分の努力から生まれる自信”を重視していることがわかります。
【自信度合別】あなたにとって「自信」とは何ですか?(複数選択3つまで)
自信の度合いが高い層ほど、「過去の成功体験や努力の積み重ね」(78%)や「自分の能力や可能性を信じること」(68%)を選ぶ傾向が顕著でした。自信がある人は、経験や自己効力感といった“内的要因”を自信の源と捉えていることがうかがえます。
一方で、自信が低い層では「特に根拠はないが『大丈夫』と思える感覚」(40%)や「他者からの評価や信頼」(23%)の割合がやや高く、外的な安心感に依存する傾向が見られました。
全体として、自信の強さは「自分を信じる力」と「経験の積み重ね」に比例しており、自己評価の形成過程の違いが明確に表れています。
Q3)あなたの「自信」を揺るがす要因は何ですか? (複数選択3つまで)
最も多かったのは「失敗やミスをしたとき」(55%)で、半数以上が自信を失う要因として挙げました。次いで「他人からの否定的な評価や批判」(50%)が続き、対人関係や評価への意識が自信を左右していることがわかります。
また「自分より優れている人を目の当たりにしたとき」(32%)や「年齢や体力の衰え」(30%)も上位に入り、他者比較や加齢による変化が影響している様子が見られます。
さらに「経済的不安」(29%)や「将来の見通しへの不安」(27%)も一定数を占め、社会構造的な不安が個人の自信を揺らしている実態が明らかになりました。
【自信度合別】あなたの「自信」を揺るがす要因は何ですか? (複数選択3つまで)
自信の度合いが低い層ほど、「失敗やミスをしたとき」(71%)や「他人からの否定的な評価や批判」(61%)を自信を揺るがす要因として挙げる割合が高くなりました。
特に「全く自信がない」層では、社会的評価や失敗経験への影響を強く受けやすい傾向が見られます。
一方、「ある程度自信がある」層では、これらの項目の割合が3〜4割にとどまり、「年齢や体力の衰え」や「健康面の不安」といった現実的な要素が上位に挙がりました。
全体として、自信の高低によって“揺らぎの原因”が異なり、自己評価の低い人ほど対人関係や失敗への敏感さが目立つ結果となりました。
この章のまとめ
- 最多は「成功体験や努力の積み重ね」(59%)と「能力や可能性を信じること」(58%)で、自信を“自分で築く”意識が強い
- 「心に余裕があり自分らしくいられる」(44%)や「ありのままの自分を受け入れる」(34%)など、内面の安定を重視する傾向が見られる
- 「他者からの評価」(20%)や「根拠のない安心感」(23%)は少なく、外的承認より行動や経験を重視
- 自信の高い層は「努力・経験」を、自信の低い層は「評価・安心感」をより重視
- 揺らぎの要因は「失敗」(55%)と「否定的評価」(50%)が中心で、他者のまなざしが影響している
多くの人が「自信の源」を自分自身の努力や経験の積み重ねに求めている一方で、現実には他者からの否定的な評価や失敗によって自信を揺らす人が多いことがわかりました。
自信を支える基盤は内面的であっても、他者との比較や評価を避けることはできず、そこに矛盾が生じています。
自我の形成は本来、他者との関係性の中でしか育まれません。大切なのは、他者の評価をそのまま自信の尺度にするのではなく、自分の中で解釈し直し、意味づけることです。その“消化の過程”こそが、揺らぎながらも持続する自信へとつながっていくのかもしれません。
多くの人が“行動の中で自信を育てる”と回答──結果より過程を重視する傾向

Q4)自信という不確かな感情に、これからの人生でどのように向き合うのがよいと思いますか?
最も多かったのは「日々の努力や挑戦を重ね、行動の中で自信を育てていく」(40%)で、次いで「今の自分ができることに自信を見出す」(32%)が続きました。
多くの人が、自信を外から得るものではなく“行動や日常の積み重ね”の中で育むものと捉えていることがわかります。
一方で「自信をコントロールしようとせず、波や揺らぎを受け入れて自然に任せる」(17%)や「信頼できる人とのつながりの中で自信を育んでいく」(8%)を選んだ人は少数で、自分の内側から自信を築こうとする姿勢が全体的に強い結果となりました。
【現在の自信度合別】自信という不確かな感情に、どのように向き合うのがよいと思いますか?
自信の高い層ほど「日々の努力や挑戦を重ね、行動の中で自信を育てていく」を選ぶ割合が高く、「とても自信がある」層では67%、「ある程度自信がある」層でも60%に達しました。
自信を“結果”ではなく“行動の積み重ね”として捉える傾向が強いことがわかります。
一方で、自信が低い層では「今の自分ができることに自信を見出す」(40%)や「自信をコントロールしようとせず、揺らぎを受け入れる」(21%)が上位に挙がり、自分を肯定的に受け止めようとする姿勢が見られました。
【コメント抜粋】自信という不確かな感情に、どのように向き合うのがよいと思いますか?
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自信は行動の結果として育まれるものだと考えています。小さな成功体験を積み重ねることで自分の能力や成長を実感できるため自然に自信が強化されます。
また挑戦を通して失敗してもそこから学び改善する過程が自信の土台をより堅実にしてくれます。それに日常の行動を意識的に重ねることで自信は揺らぐことがあっても安定感を持たせることができます。そのため行動を通じて自信と向き合うことが大切だと思います。
(男性 40代 大阪府 正社員・正職員)
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自信は結果だけでなく、挑戦し続ける過程で育まれるものだと考えています。
日々の小さな努力や経験が積み重なることで、徐々に自が深まり、不安や迷いも乗り越えられる力になると思うからです。また、行動することで得られる達成感や成長実感が、自を支える大きな要素だと感じています。だからこそ、努力を続けることが自信を育てる最も確実な方法だと思います。
(女性 50代 東京都 専業主婦・主夫)
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毎日、無意識に行っていること、たとえば「朝、時間通りに起きられた」「部屋の片づけができた」といった小さな行動を「できたこと」として認識し、自分自身を褒めることで、自己肯定感が高まります。
(男性 20代 福岡県 正社員・正職員)
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>自信というのは、一度得たら終わりではなく、状況や環境によって変化するものだと思います。「結果よりも過程を大切にする姿勢」で向き合うことが大切だと考えています。
日々の努力や挑戦を続けることで、失敗しても自分の中に「やるだけのことはやった」という納得感が残り、それが次の行動を支える小さな自信になります。
特に営業の仕事では、成功よりも断られる経験のほうが多いですが、そのたびに原因を振り返り、改善を重ねることで、少しずつ自分を信じられるようになります。
(男性 30代 埼玉県 正社員・正職員)
この章のまとめ
- 最も多かったのは「日々の努力や挑戦を重ね、行動の中で自信を育てていく」(40%)で、次いで「今の自分ができることに自信を見出す」(32%)が続いた
- 「自信をコントロールせず、揺らぎを受け入れる」(17%)や「人とのつながりの中で育む」(8%)は少数にとどまり、自信を“自分の内側で育てる”意識が強い
- 自信の高い層ほど「行動を通じて育てる」を、自信の低い層ほど「今の自分を受け入れる」を選ぶ傾向が見られる
- 全体として、自信は固定された性質ではなく、行動や日々の積み重ねの中で変化し続けるものとして捉えられている
多くの人が、自信を「結果」ではなく「行動の積み重ね」として捉えていることが明らかになりました。最も多かったのは「日々の努力や挑戦を重ね、行動の中で自信を育てていく」(40%)で、次いで「今の自分ができることに自信を見出す」(32%)が続きました。
自信の高い層ほど“行動によって育む”傾向が強く、自信の低い層では“現状を受け入れる”姿勢が目立ちます。
こうした結果から、自信は一度得たら終わりではなく、環境や経験に応じて変化する「動的な感情」であることが示されます。
完璧を求めるよりも、日々の小さな達成や積み重ねを通じて自己を確かめていく過程こそが、自信を育てる最も現実的なあり方といえます。
まとめ──”揺らぎながら育てる自信”という現実

- 自信がある人は4人に1人にとどまる
「自信がある」と答えた人は26%にとどまり、「自信がない」(42%)を下回った。多くの人が自分を肯定しきれず、“平均的”と感じている現状がうかがえる。 - 収入の高さは自信の強さと関係が深い
年収が高い層ほど自信を持つ割合が高く、1,000万円以上の層では全員が「自信がある・平均的」と回答。経済的な安定や社会的立場が、心理的な安心感につながっている。 - 自信の源は「努力と経験」に集約
最も多かったのは「過去の成功体験や努力の積み重ね」(59%)と「自分の能力や可能性を信じること」(58%)。多くの人が“自分で築く自信”を重視している。 - 自信を揺るガすのは失敗と評価のプレッシャー
「失敗やミス」(55%)、「他人からの否定的な評価」(50%)が上位。社会的評価や挫折経験が、自信を失う大きな要因となっている。 - 行動の積み重ねが自信を育てる鍵に
今後の向き合い方では「日々の努力や挑戦を重ね、行動の中で育てていく」(40%)が最多。結果よりも過程を重視しながら、自信を内側から育てようとする姿勢が広がっている。
本調査では、自信を持つ人が4人に1人にとどまり、多くの人が自己評価に揺らぎを抱えながら生きている実態が明らかになりました。
特に注目すべきは、自信の源を「努力や経験の積み重ね」とする人が多数を占める一方で、実際には「失敗」や「他者からの否定的評価」によって自信を失いやすいという矛盾です。
自信を内側で育てたいと願いながらも、他者のまなざしや社会的評価から逃れられないのは、集団の中で生きる人間の性(さが)なのかもしれません。
また、年収や性別、年代といった社会的立場が自信に大きく影響している点も見過ごせません。経済的な不安定さや構造的な評価の偏りが、個人の心理にまで影響を及ぼしている現状は、単なる「気の持ちよう」では片づけられない社会課題といえます。
自信とは、一度手に入れたら終わりではなく、揺らぎながらも更新され続ける「動的な感情」です。結果を求めすぎず、今の環境と「できること」を受けとめて、行動を重ねていく──そんな地道な過程の中にこそ、持続可能な自信が宿るのかもしれません。