人生が変わる!読んでよかったおすすめ自伝20選|共感・気づき・勇気をくれる一冊
[最終更新日]2025/08/07

自分の人生はひとつしか選べない。でも、自伝を読めば、まったく違う誰かの人生を追体験することができます。
そのなかには、迷いも葛藤も、失敗も希望もある。まるで「もうひとつの人生」に出会ったような感覚。
目次
- 1)400人が本気で選んだ「人生観が変わった」自伝ベスト20
- 20位 『毎日が冒険』高橋 歩
- 19位 『社長失格』 板倉 雄一郎
- 18位 『水木しげる伝』 水木しげる
- 17位 『失踪日記』 吾妻ひでお
- 16位 『福翁自伝』福沢諭吉
- 15位 『浅草キッド』ビートたけし
- 14位 『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル
- 13位 『不恰好経営』南塲 智子
- 12位 『かくかくしかじか』 東村アキコ
- 11位 『幸せのちから』クリス・ガードナー
- 10位 『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』長谷部 誠
- 9位 『生き方』稲盛和夫
- 8位 『SHOE DOG(シュードッグ)』フィル・ナイト
- 7位『チャップリン自伝』チャールズ・チャップリン
- 6位 『だから、あなたも生きぬいて』大平光代
- 5位 『五体不満足』乙武洋匡
- 4位 『道をひらく』松下幸之助
- 3位『奇跡の人ヘレン・ケラー自伝』ヘレン・ケラー
- 2位 『窓ぎわのトットちゃん』 黒柳徹子
- 1位 『アンネの日記』アンネ・フランク
- 2)他人の人生から、自分を見つめ直す──自伝が与えてくれること
- まとめ)自伝は「もう一つの人生」を生きるツール
1)400人が本気で選んだ「人生観が変わった」自伝ベスト20

本ランキングは、20〜60代の読者400名にWebアンケートを実施し、「人生観が変わった」と感じた自伝を自由回答で挙げてもらったものです。
それぞれが選んだ「おすすめの自伝(複数回答可)」と、「特におすすめしたい1冊(1点のみ)」を集計。すべて1票=1ポイントとして換算し、総ポイント順にランキングを作成しました。
20位 『毎日が冒険』高橋 歩
全体投票数:3票/特におすすめ:1票
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男性/40代・東京都・インターネット/広告・ディレクター
もう読んだのは20年も前。それでも、この本のことを思い出すとワクワクする。何かやってみようという気持ちになれる。「人生はきっと、もっと素晴らしいものになる」という淡い期待とともに…。
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女性/30代・東京都・商社/流通・事務/アシスタント
読み始めたら止まらなくて、あっという間に読み終えてしまいました!
「好きなことをとことん突き詰める」と、こんなにも波瀾万丈な人生になるんだなと驚かされます。
勢いがありながらも、人間味があって、とにかく面白い一冊。
ぜひ多くの人に読んでほしいと思いました!
2001年に刊行されて以来、多くの読者の心を動かしてきた、高橋歩さんの代表作です。
今もなお、「この本に背中を押された」と語る人は少なくありません。
この自伝の核にあるのは、「思い立ったらすぐ行動」というシンプルな姿勢。
20歳でアメリカンバーを開き、続けて自分の本を出版。出版社を立ち上げ、世界を旅しながら村や学校までつくっていく——。
そのエネルギーと好奇心に、自然と心が引き込まれます。
自由気ままに旅を続けてきた印象のある高橋さんですが、2011年の東日本大震災の際には旅を中断し、宮城県石巻市で「ボランティアビレッジ」を設立。のべ2万人以上を受け入れながら、現地で復興支援に取り組みました。
その後も石巻や福島を拠点に、さまざまなプロジェクトを生み出し続けています。
「自分は何をしたいのか」。その問いにまっすぐ向き合い、自分の感情に正直に生きる姿が、この一冊に詰まっています。
19位 『社長失格』 板倉 雄一郎
全体投票数:4票/特におすすめ:1票
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男性/40代・千葉県・インターネット/広告/メディア・クリエイティブ職
仕事で大きな失敗をし、会社を去ることになったときにこの本を読みました。
著者が突き動かされていたのは、ただ「成果を出したい」というシンプルな達成欲。その姿勢に、自分を重ねてしまう部分が多くありました。でも、この“呪縛”のようなものに囚われていたのは自分だけじゃなかったんだ、と気づけたことで、少し救われた気持ちにもなりました。
この本をきっかけに、働き方や仕事との向き合い方を変えてみようと思えました。
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男性/50代・埼玉県・IT/通信・技術職
とにかくリアル。スポットライトの光が強いほど、その影も強まる。そして、これだけ正直にそのことを書いた自伝は見たことがない!
起業を考えている方や、「ビジネスで名前を残したい」と思っている方にこそ読んでほしい一冊です。
本書は、インターネット黎明期に急成長を遂げた通信サービス会社・ハイパーネットの創業者が、会社の倒産と自身の自己破産に至る経緯を赤裸々に綴ったノンフィクションです。
1998年に出版され、経営判断の誤りや資金管理の甘さなどを率直に語った内容が話題となり、ベストセラーになりました。
成功に向かって突き進む高揚感、次々と起こるトラブルへの緊張感、そして転落していくときの虚無感――そのすべてを、まるで自分が体験しているかのように感じられます。読み物としても引き込まれる力を持った一冊です。
18位 『水木しげる伝』 水木しげる
全体投票数:4票/特におすすめ:2票
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男性/30代・岡山県/小売・販売/外食・宿泊/営業職
今の日本とはまったく違う、かつての時代の空気が伝わってくる点がとても学びになります。
中でも、戦争に触れた描写は強く印象に残りました。水木しげる先生が戦地で片腕を失ったという痛ましいエピソードが描かれており、そこから漫画家としての人生につながっていく流れにも注目しました。
感受性豊かで明るい人間性があり、それだからこそ厳しい世界でも行きてこれたと分かり、作者の人間性が好きになれるよきものでした。
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男性/50代・大分県・サービス・販売/サービス職
のんのんばぁとのエピソードが読みたくて購入しました。
期待通り、当時の思い出がたくさん描かれていて、漫画としてもとても読みやすかったです。
水木先生の幼少期や感受性のルーツがわかり、人物としての魅力がより深く伝わってきました。
「自伝には興味があるけれど、活字だけの本はちょっと重たい」「昔の時代を知って、今を見つめ直したい」──そんな方は、漫画で描かれた自伝が合うかもしれません。
本作は、妖怪漫画家・水木しげるが自らの半生を描いた自伝的な漫画作品。
幼少期に境港で出会った「のんのんばあ」との思い出に始まり、戦争で左腕を失う過酷な経験、戦後の極貧生活を経て、妖怪漫画家として活躍し続ける姿が描かれています。
不思議な体験や戦争の記憶を通して、水木しげるならではの感性や人間味が伝わり、多くの読者に愛されてきました。昭和の風俗や民俗的な知識、ユーモアたっぷりの語り口も魅力です。
どんな困難にもユーモアを忘れず立ち向かうその姿勢に、自然と励まされる一冊です。
17位 『失踪日記』 吾妻ひでお
全体投票数:4票/特におすすめ:3票
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女性/50代・福岡県/IT/通信・技術職
現代でもニートやネットカフェ難民など社会問題が取りざたされていますが、この本は「世の中に馴染めずにいる人」から世界がどのように映っているのかをとても良く表現しています。日本人全員が読んでほしい。そして、元気になってほしい。
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男性/40代・広島県・建設/プラント/不動産・術職(建築/土木)
転職先が決まらなかったとき、なんとなく手に取って読んだ。理由は覚えていないけれど、読み終えたあと、なんとなく心が落ち着いていた気がする。それから、ふと思い出しては何度も読み返している。
人気漫画家だった著者が、仕事の重圧に耐えきれず姿を消し、野宿生活、アルコール依存、治療施設での生活を経て再生していく――そんな体験を赤裸々に描いたノンフィクション漫画です。
2005年に刊行され、日本漫画家協会賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、手塚治虫文化賞など数々の賞を受賞しました。
一話目を読めば、きっと止まらなくなるはず。「生きるとはどういうことか」を、笑いと痛みが混ざり合う筆致で突きつけてきます。
暗くなりがちなテーマを、あえてユーモラスに描くことで、重さに押しつぶされることなく、逆に読後には不思議な明るささえ残ります。
自身の弱さと向き合いながら、少しずつ立ち上がっていく姿は、多くの人の心に深く届くはずです。ストレスや依存に悩む人にも、そっと寄り添ってくれるような作品です。
16位 『福翁自伝』福沢諭吉
全体投票数:6票/特におすすめ:2票
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男性/40代・広島県・建設/プラント/不動産・技術職(建築/土木)
天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずといった言葉は有名ですが、その意味が初めて分かる感覚になれ良い意味で人生観や価値観が一気に変わりました。
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女性/40代・新潟県・サービス・事務/アシスタント
現代では堅苦しさを感じるかもしれませんが、当時の封建制を打破していくことを狙いに、「これまでの常識を疑え」というメッセージがところどころに伺われます。読むのなら現代語訳版がおすすめです。斎藤孝さんの文章が読みやすく、3時間で読了しました。
日本近代を代表する啓蒙思想家・福沢諭吉が、自らの人生を語った痛快な自伝を、現代語訳で読みやすくまとめた一冊。
「学問のすすめ」などで知られる福沢ですが、本書では彼の生い立ちから、オランダ語・英語の習得、欧米視察、慶應義塾の創設まで、激動の時代を駆け抜けた等身大の姿が綴られています。
身分制度への反骨心、学びへの飽くなき探求、そしてどこかユーモラスな人間味――偉人のイメージを覆すような、ざっくばらんで面白いエピソードの数々に、思わず引き込まれます。
「偉人の本」というより、現代人の背中を押す“最高の人生指南書”。
斎藤孝による現代語訳で、明治の言葉にとらわれることなく、福沢諭吉の芯にある「自立して考え、行動する力」がまっすぐに伝わってきます。
15位 『浅草キッド』ビートたけし
全体投票数:6票/特におすすめ:3票
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男性/30代・東京都・サービス・企画/管理
映画から入りました。すごく面白かった。今のSNS社会にはない、リアルな師弟関係、そしてたけしの若かりし頃の情熱、世阿弥の「枯れこその花」を彷彿させる師匠の立ち振る舞い。すべてが輝いて見える。
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男性/50代・兵庫県・メーカー/企画/管理
とにかく面白くて、最後まで一気に読んだ。願わくば、もっと若い頃に読みたかった。
芸人として、そして映画監督としても知られるビートたけしさんが、自らの下積み時代を振り返った自伝的小説です。
舞台は、かつて浅草にあったストリップ劇場・フランス座。芸人を志し、修業に明け暮れた青春の日々が、師匠・深見千三郎との出会いと別れを軸に描かれています。
寄席文化の空気、芸に懸けるひたむきさ、師弟関係の厳しさと温もり──昭和の浅草に息づいていた熱と人情が、著者の飾らない筆致によって生き生きとよみがえります。
笑いと哀しみが交差する物語は、芸人という生き方の裏にある覚悟と情熱を静かに浮かび上がらせます。2021年にはNetflixで映画化され、改めて注目が集まりました。
14位 『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル
全体投票数:7票/特におすすめ:3票
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女性/40代・愛知県・医療/福祉・事務/アシスタント
初めて読んだとき、あまりの内容に言葉を失いました。戦争、そしてナチスの強制収容所での想像を絶する実体験は、あまりにむごく、読んでいて苦しくなりました。
でも、そんな絶望的な状況からでも、著者は生きることを諦めませんでした。人はどんな状況でも希望を見出だせるんだと、この本を読んで知ることができました。
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男性/40代・北海道/メーカー・営業職
ナチスの強制収容所を生き延びた精神科医フランクルの体験記です。極限状態でも「生きる意味」を問う姿勢に衝撃を受けました。
外的な状況ではなく、自分の態度を選ぶ自由があるという言葉が、人生や働き方においても軸になっています。「この仕事に意味を見出せるか」と自問する習慣をくれた一冊です。
1942年、第二次世界大戦のさなか。
精神科医でありユダヤ人でもあったヴィクトール・E・フランクルが、自身のアウシュビッツ収容所での体験をもとに綴ったのが本書『夜と霧』です。
ナチスによる過酷な強制収容所生活の中で、人はどうすれば希望を見出せるのか、苦しみにどんな意味を与えられるのか。極限状態にあっても失われなかった「人間の尊厳」について、深く問いかけています。
本書の核となるのは、「ロゴセラピー(意味への意志)」という考え方。人は生きる意味を見つけたとき、状況がどれほど過酷であっても、前を向いて生きられる——その思想が、理屈を超えた説得力をもって胸に響きます。
単なる収容所体験記ではなく、「人間はいかに生きるべきか」という根源的な問いに向き合う哲学的名著として、今も世界中で読み継がれています。
13位 『不恰好経営』南塲 智子
全体投票数:9票/特におすすめ:2票
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女性/30代・神奈川県・メーカー・クリエイティブ職
今でこそ多くの人に憧れられる女性経営者となった彼女ですが、そこに至るまでには数えきれないほどの失敗を重ねてきたことがわかります。
この本を通して学んだのは、失敗を恐れて慎重になりすぎることよりも、限られた情報や条件の中で判断し、スピード感を持って決断していくことの大切さ。
また、リーダーとして本当に必要なのは、部下の行動に対して「責任を引き受ける覚悟」だということも、強く印象に残りました。
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男性/30代・埼玉県・インターネット/広告/メディア・クリエイティブ職
ここまで素直に、自分の失敗や苦労を語れる経営者がどれだけいるだろう。
読んでいて面白く、気づけば一瞬で半分まで読み進めていました。
成功の裏にある努力や葛藤がリアルに描かれていて、こんなにも人間味にあふれているとは思いませんでした。
こんな人のもとで、がむしゃらに働いてみたい――そんな気持ちにさせてくれる一冊です。
ネット企業・DeNAの創業者が、コンサルタントから起業家へと転身し、仲間とともにサービスを立ち上げ、数々の困難を乗り越えて上場企業へと成長させた軌跡を振り返った一冊です。
2013年6月の発刊から10年以上が経った現在(2025年)も、「とても参考になる」「今でも色あせない」といった声が多く寄せられています。
全266ページにわたる本書では、表舞台の裏にある葛藤や苦労、仲間との信頼関係が率直に描かれており、自身の弱さや失敗にも正面から向き合っています。
経営や組織づくりに興味のある方に、リアルで実践的な学びを与えてくれる一冊です。
12位 『かくかくしかじか』 東村アキコ
全体投票数:10票/特におすすめ:3票
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女性/20代・静岡県・医療/福祉・事務/アシスタント
だらしない学生だった著者が、やがて人気漫画家へと成長していく姿に勇気をもらいました。
厳しく叱ってくれる存在のありがたさや、人はどんな状態からでも変わっていけるという希望を強く感じました。読み終えたあと、「自分ももう一度やってみよう」と思わせてくれる一冊です。
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女性/30代・北海道・インターネット/広告/メディア・クリエイティブ職
二浪して美大に入った身としては、いろんな場面で心がズキズキ刺さる漫画でした。
つまずいたときや、何も描けなくなったとき、どうやって抜け出せばいいんだろう……ってモヤモヤすると、気づけばこの本をまた開いてます。
登場人物たちの関係性や先生の存在が、とにかくリアルで、読むたびに救われる。
宮崎県で育った著者が、美大受験のために通った絵画教室で、鬼のように厳しい日高先生に鍛えられながら、挫折やスランプを経て漫画家になるまでを描いた、自伝的エッセイ漫画です。
2012年から2015年にかけて雑誌『Cocohana』に連載され、最終回は作者とアシスタントが涙を流しながら仕上げたといいます。
2015年にはマンガ大賞と文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞をダブル受賞。2025年には映画化もされ、さらに注目を集めました。
絵を描くことの楽しさだけでなく、厳しさとどう向き合うか、そして恩師への感謝の思いが真っすぐに描かれており、多くの読者の胸を打っています。
11位 『幸せのちから』クリス・ガードナー
全体投票数:12票/特におすすめ:4票
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女性/20代・神奈川県・サービス・企画/管理
逆境に立ち向かう強さ、そして家族の愛情が丁寧に描かれていて、どんな困難でもあきらめず努力することの大切さを教えてくれます。
読む人に「自分ももう少し踏ん張ってみよう」と思わせてくれるような、力のある作品です。
現代社会を生きる多くの人にとって、希望や元気をもらえる一冊だと思います。
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女性/30代・香川県・医療/福祉・事務/アシスタント
どんなに辛くても努力を続ける主人公の姿に心を打たれました。諦めないことの大切さを教えてくれました。
ミルウォーキー出身のクリス・ガードナーが、医療研究の道を離れ、証券会社の研修生として再出発。
幼い息子を抱えながらホームレス状態に陥り、それでも諦めることなく、やがて証券ブローカーとして成功をつかむまでの実話です。
この自伝は2006年5月にアミスタッド/ハーパーコリンズから出版され、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストのベストセラー第1位に選ばれました。20週間以上にわたりランク入りし、14の言語に翻訳されています。
映画化もされていますが、リアルな痛みや生々しい現実を知りたい方には書籍での読書をおすすめします。親子で地下鉄のトイレやシェルターを転々とした日々、父として息子を守り抜こうとする強い意志が心を揺さぶります。
10位 『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』長谷部 誠
全体投票数:10票/特におすすめ:6票
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男性/40代・北海道・サービス/事務・アシスタント
生き方についての考え方が大きく変わった一冊でした。
これまで「心を整える」という視点で物事を考えることがなかったのですが、この本を通して、心の持ち方が行動や結果に大きく影響することを実感しました。
さまざまな角度から人生を見つめ直すきっかけになり、日々の出来事にも前向きに向き合えるようになったと思います。
メンタルの整え方が具体的に書かれているので、実生活にもすぐに取り入れやすく、読むだけで前向きな気持ちになれます。
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男性/30代・山形県・公務員
競技において、心を整えることの重要性や、その競技と向き合う姿勢。日本代表のキャップを付けた男の強さとは何かを知りました。かなり練習に向かう姿勢が変わり、いい1冊でした。
日本代表キャプテンとして活躍したサッカー選手・長谷部誠による、実践的なメンタル習慣をまとめた一冊です。
「心は鍛えるものではなく、整えるもの」という考え方のもと、日々の生活や思考をどのように整えていくかを、56の具体的な習慣として紹介しています。
高い技術や戦術眼に加えて、どんな状況でも安定した心を保ち、信頼されるプレーを続けてきた著者だからこそ語れる言葉が、静かに胸に響きます。
スポーツだけでなく、ビジネスや日常生活にも役立つ、ぶれない自分をつくるためのヒントが詰まっています。
9位 『生き方』稲盛和夫
全体投票数:10票/特におすすめ:8票
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女性/50代・静岡県/小売・販売/外食・宿泊/営業職
タイトルの通り、「どう生きるか」「どんな姿勢で働くか」ということが、ご自身の事業に向かう姿勢を通して語られており、とても興味深く読みました。
著者自身がエリートではないと語っている通り、特別な肩書きや学歴がなくても、覚悟と実行力で道を切り開いていく姿がリアルに描かれています。
起業から成功に至るまでのプロセスが丁寧に綴られていて、実践的でありながらも人間らしさが伝わってくる点が印象的でした。
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男性/30代・徳島県・サービス・販売/サービス職
「何が正しいのか」判断に迷うことも多いのですが、この本はそんなときの羅針盤のような存在になってくれました。
読むことで、自分の心が本当に向かいたい方向や、生き方の基準のようなものが、少し見えてきた気がします。
京セラやKDDIを創業し、日本航空(JAL)の再建にも関わった稲盛和夫による、人生や仕事の意味を見つめ直すエッセイです。
多くのビジネスパーソンから尊敬を集める著者によって、2004年に刊行され、国内で120万部以上、世界では累計300万部を超えるベストセラーとなりました。
「大きな夢をかなえるために、たしかな人生を歩むために、もっとも大切なこととは何か?」──誰もが抱くであろう問いを、豊かな知恵と経験をもとに、丁寧にわかりやすく説き明かしてくれます。
働くことに迷いを感じている人、自分の価値観に揺らぎがある人にとって、自分らしい生き方を考えるきっかけを与えてくれる一冊です。
8位 『SHOE DOG(シュードッグ)』フィル・ナイト
全体投票数:16票/特におすすめ:6票
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男性/30代・鹿児島県・IT/通信・技術職
ナイキ創業者の壮絶な物語で理想だけでは乗り越えられない資金繰りの苦労や仲間との絆、勝利への執念に圧倒されました。ビジネスのリアルと、それでも夢を追い続ける情熱の重要性を学び仕事で妥協しそうになる自分をいつも奮い立たせてくれる一冊です。
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男性/30代・東京都・IT/通信・企画/管理
きれいごとではないリアルな経営の姿と、常識に屈しない情熱に心を打たれました。
資金繰りの不安や仲間との衝突など、成功の裏にある「不格好な」現実が赤裸々に描かれており、勇気をもらえます。どんな仕事にも通じる、情熱を持ち続けることの大切さを教えてくれる一冊です。
ナイキ創業者フィル・ナイトが、自社を世界的ブランドへと成長させるまでの軌跡を振り返った回想録です。
現在ではトップスポーツブランドとして知られるナイキですが、その始まりは日本の靴メーカー・オニツカタイガー(現アシックス)の靴を輸入し、アメリカで販売する“バイヤー”のような事業からでした。
2016年に刊行された本書では、倒産寸前の資金難、経営上の苦悩、家族との葛藤など、表には見えないリアルな日々が赤裸々に語られています。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツも「ビジネスが成功するまでの道のりを実直に思い出させてくれる」と評価。2018年にはNetflixが映画化権を取得しています。
7位『チャップリン自伝』チャールズ・チャップリン
全体投票数:17票/特におすすめ:10票
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男性/40代・群馬県・IT/通信・技術職
チャップリンが幼少期、極貧の中で育ったことが強く印象に残った。笑いの原点が、あの過酷な生活にあったのだとわかる。
そしてやはり注目すべきは、ヒトラーとの対決。まだナチスの危険性がアメリカで理解されていなかった時代に、それを堂々と風刺したチャップリンの姿勢には圧倒される。
ヒトラーと同じ1889年生まれで、生まれた日もわずか4日違い。偶然とは思えない宿命的な2人の対決を、ぜひ読んでほしい。
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女性/40代・東京都・インターネット/広告/メディア・クリエイティブ職
こんなに悲惨な生い立ちだったとは、正直意外でした。
チャップリンの作品にたびたび登場する、貧しい人や弱い立場の人への温かいまなざしが、どこから生まれたのか──その背景が、この自伝を読むことでよくわかります。
生い立ちや体験を知ることで、彼の作品に込められた思いがより深く伝わり、チャップリン作品を今まで以上に楽しめるようになるはずです。
人生は、ショートカットで見ると悲劇。ロングショットで見ると喜劇
映画『モダン・タイムス』や『独裁者』で知られる喜劇王チャールズ・チャップリンが、ロンドンの貧しい少年時代から舞台での下積み、そしてハリウッドでの成功に至るまでを綴った回想録です。
1964年に出版され、1992年公開の映画『チャップリン』でも重要な資料として用いられました。
才能を認められるまでの過酷な修業の日々や創作にかける情熱に加え、家族や恋人との関係、社会への思いまでが率直に語られており、チャップリンの人間としての側面が鮮やかに浮かび上がります。
スクリーンの裏にある努力と葛藤を知ることで、笑いに命を懸けた一人の表現者としての姿に、心を打たれる一冊です。
6位 『だから、あなたも生きぬいて』大平光代
全体投票数:18票/特におすすめ:10票
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男性/50代・兵庫県・小売・販売/外食・宿泊・販売/サービス職
学生時代に壮絶ないじめにあって自殺未遂を図った著者がどん底から立ち上がる姿に勇気をもらいました。何か辛いことがあったときにその出来事をどのように捉えるかで自分の行動が変わるということを学べたと感じています。
人間どんな嫌な目に合っても、たった1人の人物との出会いや自分の気持ちの在り方で人生を好転させることができるという点をおすすめしたいです。
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男性/30代・神奈川県・IT/通信・事務/アシスタント
いじめから極道の妻という壮絶な人生を送りながらも更生して弁護士として司法試験に合格し活躍する点がすごく印象に残った。
人生に絶望していてもきちんと更生し社会を生き抜いていくところに感銘を受けたので、人生に絶望している人にはぜひ読んでほしい。
14歳でいじめを苦に自ら命を絶とうとし、その後も苦難が続くなか、16歳で暴力団組長の妻に。
22歳のとき、現在の養父に導かれて離婚を決意し、司法試験に合格。弁護士として新たな人生を歩み始めた著者が、自身のこれまでの道のりを率直に綴った一冊です。
生きることに絶望し、自暴自棄になっていた彼女が、周囲の支えと自らの意志によって未来を切り拓いていく姿からは、「人はどんな状況からでも変われる」という強い希望が伝わってきます。
初版は2万部から始まりましたが、2000年には年間ベストセラー第1位となり、2018年までに累計260万部を突破。多くの読者の心に深く届いた作品です。
5位 『五体不満足』乙武洋匡
全体投票数:20票/特におすすめ:10票
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女性/40代・大阪府・公務員・事務/アシスタント
人は周りの人と環境でいくらでも人生が変わるということ。困難に対する立ち向かい形はひとつではないということ。
まだ十代の多感な頃に友人に借りて読みました。それまで自分が思っていた身体障害者の方に対するイメージをひっくり返されて印象に、残っています。出産時のお母様が「可愛い」と言われたエピソードや遠足時のエピソードが印象的でした。
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男性/30代・富山県・IT/通信・技術職
生まれつき手足がないという障害を抱えながらも、困難な状況でも「できないこと」ではなく「できること」に目を向けて努力して、自分の人生を前向きに捉えて生きる乙武さんの姿勢に強く感銘を受けました。
学生時代にこの本を読み、自分の小さな悩みがとてもちっぽけに思えたのを覚えています。自分を否定せず、できることに目を向けて挑戦し続ける姿から、多くの勇気をもらいました。
乙武洋匡さんが、幼少期から大学時代までの出来事を率直に綴った自伝です。1998年に出版され、翌年には年間ベストセラー第1位を記録。累計発行部数は580万部を超える、大ヒット作となりました。
手足のない身体で生まれながらも、サッカーやアルバイトに果敢に挑戦し、周囲の偏見や不便さにユーモアと前向きさで向き合っていく姿が描かれています。
読み進めるうちに、乙武さんのまっすぐな好奇心や「やってみたい」という強い気持ちが、まるで本人の声として届いてくるように感じられます。
そして、本書でもうひとつ心に残るのが、彼を支えた人たちの存在です。
小学校時代の恩師・高木先生や岡先生、級友のミノルくんやヤッちゃん、そして両親の深い愛情。
人とのつながりの温かさや力強さが伝わってきて、読む人の心にも自然と希望や前向きな気持ちを灯してくれます。
4位 『道をひらく』松下幸之助
全体投票数:18票/特におすすめ:14票
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女性/50代・福岡県・IT/通信・技術職
タイトルにインパクトがありますが、実際に読み進めると「がんばらない」という言葉の意味が、読む前とは変わっている事に気付きます。日本は、世界でも有数の自殺率の高い国です。頑張り過ぎる人達に、ぜひ読んでもらいたい本です。
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男性/40代・千葉県・建設/プラント/不動産・事務/アシスタント
”他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない”というフレーズにとても感銘を受けました。
古い本ではありますが、このフレーズはいつの時代でも当てはまるのではないかと思うくらい心打たれました。道をひらくにはまずは少しでもいいから1歩前に進むということは今の自分にはかなり響きます。
松下電器(現在のパナソニック)の創業者・松下幸之助が、雑誌に連載していた随筆をまとめた一冊です。1968年の初版から現在まで読み継がれ、国内累計発行部数は500万部を超えています。
本書は、自身の体験や考えをもとにした短い文章で構成されており、難しい言葉を使わず、仕事や人生に迷う人にそっと寄り添う内容になっています。
「失敗を恐れず挑戦すること」「人と誠実に向き合うこと」といった普遍的なテーマが、静かでやさしい語り口で語られています。
なお、この本はいわゆる自伝ではありません。
それでも多くの人が「自伝のようだ」と受け取るのは、松下さん自身の人生観や価値観が、文章の一つひとつににじみ出ているからでしょう。
読み終えたあと、自分自身の生き方を見つめ直したくなるような一冊です。
3位『奇跡の人ヘレン・ケラー自伝』ヘレン・ケラー
全体投票数:25票/特におすすめ:12票
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女性/30代・千葉県・小売・販売/外食・宿泊・販売/サービス職
誰もがあきらめてしまいそうな絶望的な状況の中で、努力を重ねて道を切り開いたヘレン・ケラーの姿に深く感動した。三重苦を背負いながらも、自分のためだけでなく、同じように困難を抱える人々の力になろうとする行動力に心を打たれる。
彼女が何を感じ、どのように生きたのかがよく伝わってきて、読むほどに勇気をもらえる一冊だった。あきらめず努力を続けることの大切さを教えてくれる。
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女性/60代以上・岡山県・医療/福祉・その他
障害があっても、教育によって十分に生きていけるということを、この本で初めて実感した。
どんな障害を持っていても人は平等であり、その人の権利は尊重されるべきだというメッセージが伝わってくる。
教育がその人の可能性を広げ、社会に適応する力を育てるのだと、改めて気づかされた。
すべては驚きに満ちている。
暗闇と沈黙の世界も例外ではない。
だから、私はどんな境遇にあっても、満足することを学んだのだ。
生後19か月で視覚と聴覚を失ったヘレン・ケラーが、家庭教師アン・サリヴァンとの出会いをきっかけに、言葉の意味を知り、世界を広げていく──本書は、その歩みを綴った回想録です。
この自伝が伝えてくれるのは、「どんな境遇にあっても、世界は開かれている」という力強いメッセージ。光も音もない世界の中で彼女が感じ取った現実は、過酷であると同時に、深く豊かで、美しさに満ちていました。
活字の存在を知った8歳の頃から本をむさぼるように読みはじめたという彼女の文章は、情緒豊かで、詩のような美しさがあります。言葉の力を信じるすべての人に、一度は手に取ってほしい一冊です。
2位 『窓ぎわのトットちゃん』 黒柳徹子
全体投票数:27票/特におすすめ:12票
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女性/50代・千葉県・商社/流通・事務/アシスタント
かなり前に読んだのですが、強烈なインパクトがありました。
楽しく愉快なお話。優しい先生。
自分が体験した事のない学校の姿に胸が躍りました。昔の日本にもこんなに優しい世界があった事に驚きました。
人と違う事が必ずしも良くない事ではない、自分らしさを大切に出来る事を教えてもらった気がします。
人と違ってもいいんだという事をおだやかに解いてくれる優しい本です。
子供さんだけでなく発達障害と言われるお子さんを育てている親御さんにもおすすめです。
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男性/40代・東京都・商社/流通・営業
印象に残った点は校長先生との出会い。トットちゃんは落ち着きがなくおしゃべりで、大人が手を焼いている所、校長先生はトットちゃんの話を最後まで聞いてくれた初めての大人で、トットちゃんを認めてくれたというのがすごく感動的だった。
著者は黒柳徹子さん。テレビ番組『徹子の部屋』の印象が強い方も多いかもしれませんが、この本を読み始めたら、大人でも思わず最後まで一気に読んでしまうはずです。
本書は、小さな女の子・トットちゃんの成長を描いた物語。落ち着きのなさから小学校を退学になった彼女が、電車の車両を教室に使う「ともえ学園」へ転校し、のびのびと過ごしていく日々がつづられています。
続編も多くの人に読まれ、「お気に入りの一冊」として挙げる声が絶えないことからも、この作品の魅力と影響力の大きさがうかがえます。
1981年の刊行から、2023年までに世界で累計2,500万部を超えるロングセラーに。収益は子どもたちの支援活動にあてられています。
1位 『アンネの日記』アンネ・フランク
全体投票数:32票/特におすすめ:16票
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女性/40代・福岡県・メーカー・事務/アシスタント
今の生活がどんなに恵まれた環境であるのかを考える機会になった。苦しい中でも夢や希望をもっていたところに惹かれたし、私ももっと強く生きようと決意できた。
どんな環境でも夢を持つことの大切さが書かれているし、気持ちを強く持つことで、葛藤しながらも生きる意味を考えることができる。
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男性/40代・東京都・メーカー・技術職
第二次世界大戦中の、極限状況下でも希望を捨てず、人間性と未来を信じ続けた彼女の姿は、人生の尊さや、いかなる時にも前向きに生きる大切さを教えてくれました。日々の仕事で困難に直面した際にも、本質的な価値を見出す視点を与えてくれる一冊だと思います。
戦時下でも少女らしい感情や夢がつづられています。恐怖と隣り合わせの生活の中でも、家族や未来への希望を忘れずにつづる姿に胸を打たれます。ありふれた日常の大切さに気づかされます。
堂々の第1位に選ばれたのは、世界中で読み継がれているこの自伝です。
ナチスの迫害を受ける中、アンネの父・オットー・フランクは家族でただ一人生き残り、戦後まもなく娘の遺した日記を整理して出版へと導きました。彼はその後も生涯をかけて、アンネの言葉を世界に届け続けました。
この本は、アムステルダムの屋根裏部屋で身を潜めながら暮らしていた13歳の少女・アンネが、家族や隠れ家の人々との日常、自由への憧れ、将来の夢を綴った日記です。感受性豊かな筆致で描かれる日々の記録は、今も多くの読者の心を深く揺さぶります。
1947年に刊行されて以降、60以上の言語に翻訳され、世界累計で2,500万部以上を記録。まさに歴史に残る一冊です。
過酷な状況の中でもユーモアを忘れず、日常の小さな喜びや家族への愛情を大切に記したその言葉は、読む人に静かな勇気を与えてくれます。戦争や差別の現実を、十代のまなざしで見つめたこの日記は、今もなお、読み手の心に語りかけ続けています。
最後の日記において、アンネが締めくくったあの一文を思い出して、涙がこぼれるという人も多いのではないでしょうか。
2)他人の人生から、自分を見つめ直す──自伝が与えてくれること
Q あなたにとって、「自伝」とはどんな存在ですか?

アンケートの結果では、自伝を「生き方・働き方のヒントを得る手段」として読む人が73%と、圧倒的多数を占めました。
次いで「落ち込んだときに勇気をもらいたい」(43%)、「他人の人生から間接体験したい」(41%)といった回答も多く、自伝が「共感」「気づき」「学び」の源になっていることが見えてきました。
自伝は単なる読み物ではなく、多くの人にとって、心の支えや視野を広げるきっかけとなっています。
なかでも多くの回答に共通していたのが、次の3つの視点です。
① 視野の広がり・価値観の変化

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クリエイティブ職(30代 男性・岡山県・インターネット/広告/メディア)
自伝を読むと、自分とは違う時代や環境を生きた人の視点から学ぶことができます。そうした経験に触れることで視野が広がり、自分の選択にも少しずつ自信が持てるようになります。誰かの人生を通じて、自分の軸を見つけるきっかけになる――それが、自伝を好きな理由です。
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営業職(30代 女性・岡山県・小売・販売/外食・宿泊)
人生は一度きりで、自分自身の経験しかできません。だからこそ、他人が書き残した人生を読むことに価値があります。自分では体験できない物語から学び、教養を広げる。自伝には、そうした力があると思っています。
多くの人が、自伝を「自分では選ばなかった人生への入り口」として読んでいます。
異なる時代や職業、考え方に触れることで、自分のものさしが揺らぎ、新しい視点が生まれる。人生を見つめ直すきっかけが、自分の外側にある。そう気づかせてくれるのが、自伝ならでの魅力といえます。
② 励まし・心の支え

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女性/30代・東京都・商社/流通・事務/アシスタント
人生に落ち込んだ時には励ましてくれる存在。どんな偉人も山あり谷ありの人生を送ってきている。自分が人生の谷にいるときに、自伝を読むと「この谷を乗り越えよう」と勇気が出てくる。
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男性/40代・北海道・メーカー・営業職
自伝は、他人の人生を通して自分を見つめ直す鏡のような存在です。成功や挫折、選択の背景を知ることで、自分の悩みや迷いに対する新しい視点が得られます。
言葉にできなかった思いに気づかせてくれることもあり、読むたびに心が深まります。
「落ち込んだとき、自伝が心を励ましてくれた」。そんな声が数多く寄せられました。
華やかな表舞台の裏で、誰もが悩み、傷つき、立ち上がってきた。その姿に触れることで、「この谷を、自分もきっと乗り越えられる」と思える。
また、成功だけでなく、挫折や選択の背景に触れることで、自分の悩みへの見方も変わってくる。 自伝は、間接的に「自分を肯定する働きかけ」もあると言えるかもしれません。
③ 別の人生への「疑似体験」

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女性/30代・神奈川県・インターネット/広告/メディア・クリエイティブ職
自伝は、自分以外の人のストーリーや価値観に触れられるものだと思います。
特に興味深いのは、そうした内容をその人自身がどんな言葉で綴っているのかという点です。心に残った表現は、自分の近況を誰かに話すときに取り入れることもあります。
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男性/50代・大分県・サービス業・販売/サービス職
その人にしか経験できないような出来事や、長い年月を経なければ得られない気づきが、自伝という一冊の本に凝縮されていることに価値を感じます。
それをわずかな時間で読み、後の世代が共有できる点が優れていると思います。人生は長いようで、実はとても短い――そう感じさせられます。
現実では選べない人生を、読むことでなぞる。そこには、苦悩もあるけれど、それ以上に、深い感情と洞察がある。
自伝を読むと、「自分もこんなふうに考えてみたい」「この人のように話してみたい」と思えることがあります。
「たった数行の文章が、日常の景色までを変えた」──そのような経験を感じた方も、きっと多いのではないでしょうか。
まとめ)自伝は「もう一つの人生」を生きるツール

私たちは、自分の人生しか生きることができません。けれど、自伝を読むことで、自分とはまったく異なる人生の景色を垣間見ることができます。
誰かが悩みながら選んだ道、立ちはだかる壁を乗り越えた経験、そこで見つけた言葉や思い。それらに触れるうちに、自分の考えや視点も、少しずつ動き出していきます。
迷いの中にいるとき、気持ちが沈んでしまったとき、自伝が静かにそばに寄り添ってくれることもあるでしょう。
どんな心の状態で読んでも、そのときの自分にぴたりと重なるような言葉が返ってくる――そんな不思議な力が、自伝というジャンルにはあるのかもしれません。